ロリス(読み)ろりす(英語表記)loris

翻訳|loris

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロリス」の意味・わかりやすい解説

ロリス
ろりす
loris

哺乳(ほにゅう)綱霊長目ロリス科ロリス亜科に属する動物総称。この亜科の仲間は、インドから東南アジアにすむ子ネコ大の原猿で、3種があり、ホソロリス属LorisスローロリスNycticebusに分けられる。前肢第2指は退化し、後肢第2指だけに鉤(かぎ)づめがみられる。前歯部は櫛(くし)の歯状を呈し、歯式は

で計36本。顔は平面的で大きな目が前向きにつく。尾はほとんどなく、あっても体毛に隠れて見えない。動作の緩慢な夜行性樹上生活者で、尿によるマーキング行動を行う。昼間は木のうろや葉の茂みの中で過ごし、枝に止まって眠るときは、体軸を垂直にして四肢で枝につかまり、頭を胸にうずめるようにして丸くなる。雑食性で、小動物をとらえる際はすばやい動きをみせ、昆虫、小形爬虫(はちゅう)類、鳥の卵、果実、葉などを食べる。原則として単独で生活するが、ペアでみられることもあり、ポットーなどと同様に、各雄は1頭ないしそれ以上の雌の行動域を覆うように縄張りを構えているものと思われる。

[上原重男]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロリス」の意味・わかりやすい解説

ロリス
Lorisidae; loris

霊長目ロリス科の動物の総称。ドウケザルともいう。眼が大きく,足の第2指には鉤爪がある。尾は退化してまったくないか,あるいはごく短い。夜行性。樹上性で動作がのろく,木の枝などにしっかりつかまりながらゆっくりと行動する。スローロリス,スレンダーロリス Loris tardigradusが東南アジアに,ポットほか1種がアフリカに分布する。

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