スローロリス(読み)すろーろりす(英語表記)slow loris

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スローロリス」の意味・わかりやすい解説

スローロリス
すろーろりす
slow loris
[学] Nycticebus coucang

哺乳(ほにゅう)綱霊長目ロリス科の動物。アッサムインドシナ半島マレー半島スマトラ島ジャワ島ボルネオ島などに分布する原猿である。頭胴長27~38センチメートル。羊毛状の体毛は灰褐色で、目の周囲と背に暗色部分があり、鼻から額に白線が通る。ショウスローロリスN. pygmaeus近縁で、頭胴長約19センチメートルと小さく、インドシナ半島の狭い範囲にすむ希種である。

[上原重男]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スローロリス」の意味・わかりやすい解説

スローロリス
Nycticebus coucang; slow loris

霊長目ロリス科。体長 35cm内外。体は羊毛状の毛におおわれ,背面は灰褐色,腹部は白あるいは灰白色で,背面正中線に沿って黒色部がある。頭は丸く,眼も丸く大きい。鼻は毛がなく,湿っている。キツネザルのように足の第2指に鉤爪がある。夜行性で,樹上に生活し,群れをつくらない。動作はのろい。昆虫類主食とするが,ときに植物質も食べる。タイ,インドシナ地方,マレー半島,スマトラ島,ボルネオ島,ジャワ島,フィリピンなどに分布する。近縁種にインドおよびスリランカ産のスレンダーロリス Loris tardigradusがいる。

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