日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロロ」の意味・わかりやすい解説
ロロ
ろろ
Rollo (Rollon)
(860―933)
初代ノルマンディー公(在位911~927)。ルーアン伯ともいわれる。ノルウェーのバイキングの一首領。イギリス、フリースラント、北フランスの北海沿岸一帯を荒らし回り、ついでセーヌ川の河口地帯に向かい、890年にバイユー伯領に遠征、同伯の娘と結婚。翌年リジューを略奪、さらにその翌年にはパリを攻囲し、ついでルーアンに定着した。ここにおいて、西フランク王シャルル3世(単純王)は、ロロとの間に、ノルマン人によって占領されていたネウストリアの一部(東ノルマンディー)を与えるかわり、以後ロロが略奪を行わない旨の条約を取り決めた(911)。その後ロロは、征服によって領土を広げ、922年には中部ノルマンディーをロベール家のフランス王ラウールから手に入れ、公領の基礎を固めた。彼の人となりも、その生涯も謎(なぞ)に満ち、諸説が入り乱れている。
[井上泰男]