ロベール(読み)ろべーる(英語表記)Marthe Robert

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロベール」の意味・わかりやすい解説

ロベール
Robert, Hubert

[生]1733.5.22. パリ
[没]1808.4.15. パリ
フランスの風景画家。彫刻家の L.スロッツに師事したのち,1754年にローマに行き,長くイタリアに滞在。ローマの廃墟のある風景や古代建築を詩的情趣をもって描き,「廃墟のロベール」と呼ばれた。1765年に帰国,翌 1766年王立アカデミーの会員,のち会長となった。フランス革命のおりには一時投獄された。主要作品『ニームのディアナ神殿の内部』 (1787,ルーブル美術館) ,『ポン・デュ・ガール』 (1787,同美術館) ,『廃墟となったルーブルのグランド・ギャラリーの想像図』 (1796,同美術館) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロベール」の意味・わかりやすい解説

ロベール
ろべーる
Marthe Robert

生年不詳。フランスの現代女流批評家。1914年、パリ生まれともいわれる。初めドイツ文学者として、ゲーテ、グリム兄弟などの翻訳をしたが、「カフカの意味はその技法にある」(バルト)ことを示した『カフカ』(1960)で批評家として認められる。そののち、フェミナ賞を得た『古いものと新しいもの』L'Ancien et le Nouveau(1963)、『起源の小説と小説の起源』(1973)で、書くことの現代的意義を鋭く問うた。そのほかに出色のフロイト論『エディプスからモーゼへ』D'Œdipe à Moïse(1974)などがある。

[西永良成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

春闘

春の時期に労働組合が一斉に賃上げ、労働条件の改善に関する交渉を行なうこと。欧米では、産業別に強力な労働組合が存在し、それらが労働条件改善への闘争を繰り広げて成果を得てきた。だが、日本では企業ごとに労働...

春闘の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android