日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロンバルド」の意味・わかりやすい解説
ロンバルド
ろんばるど
Pietro Lombardo
(1435―1515)
イタリアの建築家、彫刻家。ロンバルディアの出身で、おそらくトスカナ地方で修業したものと推測されるが、1464年にパトバのサンタントニオ聖堂にロッセッリ家の記念墓碑を制作したのち、ベネチアに定住し、旺盛(おうせい)な制作活動を続けた。81年に着工したサンタ・マリア・デイ・ミラーコリ聖堂が彼の代表作であるが、これは小さいながらベネチア風ビザンティン様式とルネサンス様式が巧みに折衷された典雅な建造物である。この聖堂の造営以降、息子のトゥリオTullio(1455―1532)とアントニオAntonio(1458―1516ころ)が終始彼に協力して墓碑、宗教彫刻、建築を残し、ベネチアの美化に大いに貢献したが、その分担や協同の割合は明確ではない。
[濱谷勝也]