ペルー中西部,オクシデンタル山脈中のコルディエラ・ブランカCordillera Blanca(〈氷河に覆われた白い山脈〉の意)にある山(南緯9°07′,西経77°37′)。ペルー最高峰(6768m)。コルディエラ・ブランカ中にはこのほかワンドイ,ウワンツァンなど氷河に覆われた山があり,世界の各地から登山隊が訪れる。登山および観光基地はワラス。コルディエラ・ブランカと西側のコルディエラ・ネグラ(黒い山脈)の間の河谷はカエホン・デ・ワイラスCallejón de Huaylasと呼ばれ,ペルーのスイスと称せられる観光地である。1970年のペルー大地震の際にワスカランの西面の氷河が大崩壊を起こし,ちょうど富士山と御殿場市というような位置関係にあるユンガイ町が土石流の下に完全にうもれ,約2万人の生命が失われた。ここは現在,聖地として保存されている。
執筆者:野上 道男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
南アメリカ、ペルー・アンデスのブランカ山脈にある高峰。標高6768メートルで、ペルーの最高峰。南北に並ぶ二つの峰からなり、南峰のほうが高い。標高約5000メートル以上が氷雪に覆われているが、一部では4000メートル付近まで氷河が流下している。中生代の堆積(たいせき)岩に貫入した第三紀の花崗(かこう)岩類からなる。1970年5月31日の大地震の際、氷河の崩壊による土石流で山麓(さんろく)の町ユンガイが埋没し、3万5000人に上る死者を出した。北峰(6655メートル)は1908年アメリカのペック女史らにより、また南峰は32年にドイツ・オーストリア隊により初登頂された。
[松本栄次]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
※「ワスカラン山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新