ワスカラン山(読み)わすからんさん(英語表記)Nevado Huascarán

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワスカラン山」の意味・わかりやすい解説

ワスカラン山
わすからんさん
Nevado Huascarán

南アメリカ、ペルーアンデスのブランカ山脈にある高峰標高6768メートルで、ペルーの最高峰南北に並ぶ二つの峰からなり、南峰のほうが高い。標高約5000メートル以上が氷雪に覆われているが、一部では4000メートル付近まで氷河が流下している。中生代堆積(たいせき)岩に貫入した第三紀の花崗(かこう)岩類からなる。1970年5月31日の大地震の際、氷河の崩壊による土石流山麓(さんろく)の町ユンガイが埋没し、3万5000人に上る死者を出した。北峰(6655メートル)は1908年アメリカのペック女史らにより、また南峰は32年にドイツ・オーストリア隊により初登頂された。

[松本栄次]

世界遺産の登録

ワスカラン山を擁するブランカ山脈の国立公園が1985年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「ワスカラン国立公園」として世界遺産の自然遺産に登録された(世界自然遺産)。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワスカラン山」の意味・わかりやすい解説

ワスカラン山
ワスカランさん
Nevado Huascarán

ペルー中部西寄り,アンデス山中のブランカ山脈にある山。アンカシュ県に属する。同国の最高峰で,標高 6768m。山頂万年雪をいただく巨大な山峰で,登山家,観光客など訪れる者が多い。 1962年には融雪時のなだれで,山麓の村々で死者 3500人を出し,70年には地震に伴う地すべりにより 10村が壊滅,約2万人の死者を出し,20世紀最悪の自然災害の一つといわれる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android