わんこそば

共同通信ニュース用語解説 「わんこそば」の解説

わんこそば

盛岡冷麺」「じゃじゃ麺」と並び岩手の三大麺と呼ばれる郷土料理。「そば振る舞い」の風習原形とされ、盛岡市花巻市で盛ん。老舗そば店によると、女性は30~40杯、男性は50~60杯食べるのが平均という。米紙ニューヨーク・タイムズが今年1月の特集で「2023年に行くべき52カ所」の2カ所目に盛岡市を選び、わんこそばを世界に紹介した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「わんこそば」の意味・わかりやすい解説

わんこそば

岩手県の郷土料理。わんこは椀子(わんこ)であるが、「割子そば」の転化(てんか)ともいわれる。「こ」の字をつける風習は東北各地にみられる。わんこそばは、椀に盛って出すそばのことで、もと客用に平椀に盛ったのが始まりという。この地方では古くから優良なソバがとれ、それを用いてのそば切りの味はよい。薬味に、刻みねぎ、花かつお、大根おろし、海苔(のり)などのほか、マグロ刺身なども用いる。しかしわんこそばが有名になったのは、単に味ばかりではなく、大食い競争のいろいろな企画があたったためである。最初は花巻のあるそば業者が始めたが、いまは盛岡市内のほうが盛んである。数人ときには数十人を一堂に集め、椀の中に少量の「かけそば」を投げ入れるのを競って食べる。食べる数の多さを楽しむ仕組みを、いまでは「わんこそば」といっている。

多田鉄之助


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百科事典マイペディア 「わんこそば」の意味・わかりやすい解説

わんこそば

明治宰相原敬賞賛から広まったともいわれる,岩手県を代表する名物料理。食べては入れ,また食べては入れ,を繰り返す食べ方で広く知られる。盛岡市,花巻市などで味わえる。起源は江戸時代南部利直が花巻城に立ち寄った際,椀で供されたそばを何杯もおかわりしたことに始まる。花巻市では制限時間内に何杯食べれるかを競う〈わんこそば全日本大会〉が毎年行われる。

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世界大百科事典(旧版)内のわんこそばの言及

【ソバ(蕎麦)】より

…おかめは結びゆば,かまぼこなどの具をのせておかめの面をかたどったもので,〈しっぽく〉もほぼ同じものである。地方の名物そばには,青森県の津軽そば,岩手県盛岡・花巻のわんこそば,福井県のおろしそばなどが知られ,岩手県陸中海岸のはらこそば,身欠きニシンをたくみに生かした京都のニシンそばも独特の風味をもっている。なお,そば切りのゆで汁であるそば湯を飲む風習は元禄ころ信州から起こり,江戸に広まったのは1748年(寛延1)以降で,そばのタンパク質が水に溶けやすい点からいって,栄養上きわめて合理的な利用といえる。…

※「わんこそば」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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