アシナシトカゲ(英語表記)Anguis fragilis; slowworm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アシナシトカゲ
Anguis fragilis; slowworm

トカゲ目アシナシトカゲ科。体長 30~50cm。体は細長く,四肢を欠き,一見ヘビのようにみえる。ヨーロッパから中近東にかけて分布し,湿った林などを好む。卵胎生。なお四肢の退化したトカゲ類はほかにも多くあり,たとえばバルカンヘビガタトカゲ Ophisaurus apodusは,の自切性が高く,切れた尾がいくつもの破片に砕け散ってしまうのでガラスヘビ glass snakeの通称でよく知られている。このトカゲはアシナシトカゲより大型で体長 1m内外,草原や石の多い原野などにすみ,小動物,鳥類の卵などを捕食する。卵生。ヨーロッパの南東部およびアジア南西部に分布する。

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百科事典マイペディアの解説

アシナシトカゲ

ヘビトカゲとも。アシナシトカゲ科に属する爬虫(はちゅう)類の総称。全長40〜140cmで尾はその2分の1以上。ヨーロッパ南東部,アジア,南北アメリカアフリカの一部に分布。四肢が退化したヘビ型のトカゲで,まぶたと耳孔がある。尾は自切作用で切れやすい。種により卵生または卵胎生。小哺乳(ほにゅう)類,昆虫,ミミズカタツムリを捕食。

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世界大百科事典 第2版の解説

アシナシトカゲ

アシナシトカゲ科Anguidaeに属する四肢が退化したヘビ型のトカゲ類の総称。胴の両側に細い溝状のしわをもつグループで,溝は大きな餌を飲むとき胴を広げる役割を果たすものと考えられる。全身が硬い皮骨板に覆われ,胴は円筒形で細長く,四肢を欠くものと完全に備えたものとがあり,5亜科に分けられる。アシナシトカゲ亜科のヒメアシナシトカゲAnguisはヒメアシナシトカゲA. fragilis1種のみからなり,腰帯,肩帯の痕跡は残るがまったく四肢を欠くヘビ型。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アシナシトカゲ
あしなしとかげ
lateral fold lizard

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目アシナシトカゲ科に属するトカゲの総称。同科Anguidaeの仲間は四肢が退化したヘビ型で、かつてはヘビトカゲの名称でよばれた。全身が硬い皮骨板で覆われ、円筒形で細長い胴の両側には溝状のひだがあり、大きな餌(えさ)を飲むときに胴を広げる役割を果たしている。ヒメアシナシトカゲAnguis fragilisのように腰帯、肩帯の痕跡(こんせき)を残すものの四肢をまったく欠くものもあるが、トカゲの特徴として、可動的な眼瞼(がんけん)と耳孔とがあり、尾は自切して再生する。ヨーロッパ南東部からアジア西部に分布するヨーロッパアシナシトカゲOphisaurus apodusは全長1.4メートルに達する大形で、痕跡的な後肢がある。本種の近縁種で南アジアや北アメリカに分布する種類は全長30センチメートルほどの小形で、すべて卵胎生である。同じグループに含まれる北・南アメリカ産のアリゲータートカゲ属Gerrhonotusは四肢を備え、長い尾を巻き付けて高い木に登るものもある。中央・南アメリカに分布するギャリウォスプ属Diploglossusも四肢があるが、他の属には地中性で後肢がひれ状に退化したものもある。[松井孝爾]

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