アジュマーン(英語表記)Ajmān

改訂新版 世界大百科事典 「アジュマーン」の意味・わかりやすい解説

アジュマーン
Ajmān

アラブ首長国連邦のなかで最小の国。面積は250km2で東京都のほぼ8分の1,人口20万5000(2002)。雨が比較的多く,連邦の中では夏がしのぎやすい国である。内陸の山間部に飛地があり,ここでは果樹や野菜が栽培されているが,国全体では漁業に依存している。就業人口の3分の1は漁業に従事し,大型の漁船をもつものもいる。漁獲物はイカ,甲殻類などの近海もののほか,深海魚や遠洋ものにまでおよんでいる。連邦政府は漁業近代化のため,漁港整備や冷凍施設の建設を行い,漁民には漁船用エンジン購入のための資金貸付も行っている。中小の漁業関連企業も発展しているが,海上油田関連の船舶の修理工場もふえ,その最大のものに政府と日本資本との合弁アラブ・ヘビー・インダストリーがある。山間部の飛地ではクロム,銅,鉄鉱石産出
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジュマーン」の意味・わかりやすい解説

アジュマーン
`Ajmān

アラブ首長国連邦を構成する最小の首長国。国の中心地域に首都アジュマーンが位置し,ペルシア湾にのぞむ。まわりをシャルジャ首長国に取巻かれているが,このほかオマーン半島部に飛び領土が2ヵ所ある。 19世紀にイギリスとの間に条約を締結し,休戦協定のもとでイギリスの保護下にあった。 1900年代の初頭においては,真珠貝漁とナツメヤシ栽培が唯一の経済活動であった。 1971年連邦の構成国として独立。経済的には連邦で最も貧しく,構成国のアブダビからの補助金があり,それによって首長の宮殿や,そのほかの建造物,港湾施設の改善が行われた。飛び領土のマナーマには軍事基地があり,マスフートには良質の大理石埋蔵が知られている。面積 250km2。人口7万 6000 (1991推計) 。

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