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アフリカ連合 アフリカれんごうAfrican Union; AU

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アフリカ連合
アフリカれんごう
African Union; AU

アフリカ諸国の政治的・社会的・経済的統合を目指す政府間機構。アフリカ統一機構 OAUの後継組織として 2002年に設立された。原加盟国はモロッコを除くアフリカの全 53ヵ国。本部所在地はエチオピアのアジスアベバ。1963年に発足した OAUは,国境紛争の調停,南部アフリカ諸国の黒人解放運動の支援,アパルトヘイト政策をとる南アフリカ共和国への経済制裁などを実施したが,内政不干渉の方針をとっていたため効力は限定され,一部の加盟国における専制政治を抑えるには無力だという批判を招いた。1999年リビアの最高指導者ムアマル・カダフィ大佐の働きかけをうけて,アフリカ各国は OAUに代わる新しい組織の創設と地域のいっそうの統合に向けて動き始めた。2001年5月26日 AUを設立する決議が OAU加盟国の 3分の2の賛成を得て採択され,2002年7月9日正式に発足した。AUはおおまかな点でヨーロッパ連合 EUを範とし,域内の経済成長と貧困抑制のための協働を第一義とした。また,中央銀行,単一通貨,域内裁判所,安全保障理事会などの創設も計画された。加盟国に対しては OAUよりも大きな権限を与えられ,人道に対する犯罪や人権侵害,ジェノサイドを阻止するため介入できるようになった。2004年アフリカ議会が設立され,AUは兵力約 1万5000人からなる平和維持部隊の設置に合意した。2011年,南スーダンが 54番目の加盟国となった。

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知恵蔵の解説

アフリカ連合

アフリカ統一機構(OAU)から移行、2002年7月に正式に発足した地域機関。06年9月現在の加盟国・地域は53。本部はエチオピアのアディスアベバ。00年のOAU首脳会議(ロメ)でリビアのカダフィ大佐により提唱されたAUへの移行提案が翌01年の首脳会議(ルサカ)で満場一致で合意された。同会議はEUをモデルとし、従来のOAUよりも強力で緊密な機構への移行を目指した新アフリカ・イニシアチブ(NAI)を採択、今後15年間の年平均経済成長率7%、貧困撲滅、債務削減、紛争解決、世界市場への接近を目標とし、アフリカ中央銀行、司法裁判所、単一通貨、単一議会の設立を構想している。同年、ムベキ・南アフリカ共和国大統領、オバサンジョ・ナイジェリア大統領、ブーテフリカ・アルジェリア大統領により提唱されたアフリカ再生計画のためのミレニアム・パートナーシップ案とワッド・セネガル大統領のオメガ計画案を統合するための作業委員会が設けられた。これら諸委員会の結果は、アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD:New Partnership for African Development)として改称採択された。移行期間のOAU議長はアマラ・エシー(コートジボワール元外相)。

(林晃史 敬愛大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

アフリカ‐れんごう〔‐レンガフ〕【アフリカ連合】

African Unionアフリカ統一機構(OAU)のあとを受け、2002年7月に発足した地域機関。EU(欧州連合)をモデルとし、OAUよりも強力な機構を目ざしたもの。域内の政治的・経済的・社会的な統合の加速化、貧困撲滅、債務削減、世界市場への接近などを目標とする。本部はアジスアベバ。AU。
[補説]モロッコを除く全アフリカ諸国が加盟。中央アフリカは内戦のため2013年から参加資格停止。

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百科事典マイペディアの解説

アフリカ連合【アフリカれんごう】

アフリカ統一機構(OAU)に代わる,ヨーロッパ連合(EU)型の超国家機構として構想され,2002年7月発足したアフリカ大陸的規模の地域共同体。African Union,略称AU。
→関連項目アフリカ

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

アフリカれんごう【アフリカ連合】

2002年に、アフリカ統一機構( OAU )を改組して設立された、アフリカの地域的国際機構。アフリカ各国の政治的・経済的・社会的な連合をめざす。安全保障上の相互監視機構も有している。 AU 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アフリカ連合
あふりかれんごう
African Union

略称AU。旧アフリカ統一機構(OAU)が発展・改組した国際機構。2000年7月トーゴのロメにおいて開かれたOAU首脳会議で、リビアの最高指導者カダフィがOAUのアフリカ連合への移行提案を行い、それは「アフリカ連合制定法」として採択され、翌2001年5月に必要な批准数を集めて発効した。これを受けて同年7月ザンビアのルサカで行われたOAU首脳会議で、2002年の首脳会議までの1年間を移行期間としてAUに移行することが決定された。また、この期間のOAU議長として元コートジボワール外相アマラ・エシーが選出された。同会議ではヨーロッパ連合(EU)をモデルとし、従来のOAUよりも強力で緊密な機構への移行を目ざした「新アフリカ・イニシアティブ(NAI)」を同時に採択した。NAIは今後15年間の年平均経済成長率7%、貧困撲滅、債務削減、紛争解決、世界市場への接近を目標とし、アフリカ中央銀行、司法裁判所、単一通貨、単一議会の設置を構想している。AUは2002年7月、南アフリカのダーバンで開かれたAU首脳会議で正式に発足した。加盟国は53か国、事務局はエチオピアのアディス・アベバにある。
 AUとOAUの組織の主要な改正点と、EUとを比較すると以下のとおりである。
〔1〕首脳会議 加盟国首脳により構成されるAUの最高機関で、原則年1回開催はOAUと変わらない。全般的政策を決定し、議長は任期1年、後述の委員会の委員(任期4年)を選出する。EUのヨーロッパ理事会に相当する。
〔2〕閣僚執行理事会 OAUの閣僚会議を引き継ぐ。加盟国閣僚により構成され、原則年2回開催する。政策の調整、首脳会議での議題の準備を行う。EUの理事会に相当する。
〔3〕常駐代表委員会 従来のOAUにはなかったもので、加盟国常駐代表により構成される。閣僚執行理事会の諮問機関で、定期的に開催する。EUの常駐代表委員会に相当する。
〔4〕専門技術委員会 旧OAUの専門委員会を拡大・改組し、以下の7委員会からなる。(1)農村経済および農業事項に関する委員会、(2)通貨および金融事項に関する委員会、(3)貿易・関税・移住に関する委員会、(4)輸送・通信・観光に関する委員会、(5)産業・科学技術・エネルギー・天然資源・環境に関する委員会、(6)保健・労働・社会事項に関する委員会、(7)教育・文化・人的事項に関する委員会。これらの委員会には担当大臣が出席し、計画を作成、執行理事会に提出する。EUの各種委員会に相当する。
〔5〕委員会 旧OAUの事務局の機能を補強・増大、AUを対外的に代表し、政策・法案を提案し、決定事項を執行する。委員長、副委員長を含む7名で構成される。EUのヨーロッパ委員会に相当する。
〔6〕経済・社会・文化評議会 委員会の諮問機関。EUの経済社会評議会に相当する。
〔7〕その他 将来構想として、(1)全アフリカ議会、(2)裁判所、(3)アフリカ中央銀行、アフリカ通貨基金、アフリカ投資銀行設立を目ざす。EUのヨーロッパ議会、EU司法裁判所、ヨーロッパ中央銀行、ヨーロッパ投資銀行をモデルとしている。
〔8〕紛争予防・管理・解決のメカニズム 旧OAUにあった同メカニズムの存続とその機能強化を図る。[林 晃史]

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