アフリカ地域の約50カ国・地域が加盟する地域機関。本部はエチオピア首都のアディスアベバにある。アフリカ諸国の統一などを掲げて1963年にできた「アフリカ統一機構」(OAU)が前身で、2002年に改組して発足した。アフリカ諸国の平和や安全保障を訴えているほか、持続可能な経済開発を促している。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
旧アフリカ統一機構(OAU)が発展・改組した国際機構。略称、AU。2000年7月トーゴのロメにおいて開かれたOAU首脳会議で、リビアの最高指導者カダフィがOAUのアフリカ連合への移行提案を行い、それは「アフリカ連合制定法」として採択され、翌2001年5月に必要な批准数を集めて発効した。これを受けて同年7月ザンビアのルサカで行われたOAU首脳会議で、2002年の首脳会議までの1年間を移行期間としてAUに移行することが決定された。また、この期間のOAU議長としてコートジボワール元外相アマラ・エシーAmara Essy(1944―2025)が選出された。同会議ではヨーロッパ連合(EU)をモデルとし、従来のOAUよりも強力で緊密な機構への移行を目ざした「新アフリカ・イニシアティブ(NAI)」を同時に採択した。NAIは今後15年間の年平均経済成長率7%、貧困撲滅、債務削減、紛争解決、世界市場への接近を目標とし、アフリカ中央銀行、司法裁判所、単一通貨、単一議会の設置を構想している。AUは2002年7月、南アフリカのダーバンで開かれたAU首脳会議で正式に発足した。55の国・地域が加盟、事務局はエチオピアのアディス・アベバにある(2025年4月時点)。
AUとOAUの組織の主要な改正点と、EUとを比較すると以下のとおりである。
(1)首脳会議 加盟国首脳により構成されるAUの最高機関で、原則年1回開催はOAUと変わらない。全般的政策を決定し、議長は任期1年、後述の委員会の委員(任期4年)を選出する。EUのヨーロッパ理事会に相当する。
(2)閣僚執行理事会 OAUの閣僚会議を引き継ぐ。加盟国閣僚により構成され、原則年2回開催する。政策の調整、首脳会議での議題の準備を行う。EUの理事会に相当する。
(3)常駐代表委員会 従来のOAUにはなかったもので、加盟国常駐代表により構成される。閣僚執行理事会の諮問機関で、定期的に開催する。EUの常駐代表委員会に相当する。
(4)専門技術委員会 旧OAUの専門委員会を拡大・改組し、以下の7委員会からなる。①農村経済および農業事項に関する委員会、②通貨および金融事項に関する委員会、③貿易・関税・移住に関する委員会、④輸送・通信・観光に関する委員会、⑤産業・科学技術・エネルギー・天然資源・環境に関する委員会、⑥保健・労働・社会事項に関する委員会、⑦教育・文化・人的事項に関する委員会。これらの委員会には担当大臣が出席し、計画を作成、執行理事会に提出する。EUの各種委員会に相当する。
(5)委員会 旧OAUの事務局の機能を補強・増大、AUを対外的に代表し、政策・法案を提案し、決定事項を執行する。委員長、副委員長を含む7名で構成される。EUのヨーロッパ委員会に相当する。
(6)経済・社会・文化評議会 委員会の諮問機関。EUの経済社会評議会に相当する。
(7)その他 将来構想として、①全アフリカ議会、②裁判所、③アフリカ中央銀行、アフリカ通貨基金、アフリカ投資銀行設立を目ざす。EUのヨーロッパ議会、EU司法裁判所、ヨーロッパ中央銀行、ヨーロッパ投資銀行をモデルとしている。
(8)紛争予防・管理・解決のメカニズム 旧OAUにあった同メカニズムの存続とその機能強化を図る。
[林 晃史]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
ユーラシア大陸、北アメリカ大陸北部に広く分布し、日本では北海道にエゾヒグマが生息する。成獣は体長2メートル以上、体重300キロにもなり、日本最大の陸生動物として知られる。雑食性で草や木の実、サケ、シ...