アミノ化(読み)アミノか(その他表記)amination

改訂新版 世界大百科事典 「アミノ化」の意味・わかりやすい解説

アミノ化 (アミノか)
amination

有機化合物アミノ基-NH2を導入する反応。一般に,一段階反応でアミノ基を導入する反応は少なく,多段階反応による場合が多い。一段階反応の例としては,ピリジンを液体アンモニアナトリウムアミドNaNH2で処理すると2-アミノピリジンが生成する。ベンゼンの1個の水素原子をアミノ化する場合,このような反応は起こらず,直接のアミノ化は困難なので,まずベンゼンをニトロ化して生ずるニトロベンゼン還元してアニリンを合成する。

ほかに,アジド基-N3,ヒドロキシアミノ基-NHOHなどを還元して,アミノ基を生成する反応も知られている。シアノ基-CNを還元するとアミノメチル基-CH2NH2となる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アミノ化」の意味・わかりやすい解説

アミノ化
あみのか
amination

有機化合物にアミノ基-NH2を導入すること。アミノ化の方法には次のようなものがある。

(1)直接アミノ化 炭素に結合した水素を直接アミノ基に置換する。たとえば、液体アンモニア中で、ピリジンにナトリウムアミドを作用させると2‐アミノピリジンを生成する。しかしこの方法は一般的ではない。

(2)アンモニアによる置換反応 ハロゲン化アルキルにアンモニアを作用させてアミンを、また酸ハロゲン化物や酸無水物にアンモニアを作用させてアミドを生成する。アンモノリシスともいう。

(3)還元によるアミノ化 ニトロ化合物を鉄やスズなどの金属と酸で還元してアミンとする方法は、芳香族アミンの合成法として重要である。ニトリルやアミドを還元してアミンとする反応もある。

山本 学]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミノ化」の意味・わかりやすい解説

アミノ化
アミノか
amination

炭素原子に結合している水素原子をアミノ基 -NH2 で置換する反応。直接法としては液体アンモニア中でピリジンにナトリウムアミドを作用させて2-アミノピリジンを合成する例があるが,ニトロ化合物やニトリルの還元,あるいはハロゲン化物のアンモノリシスによってアミノ誘導体を得る間接法が一般的である。

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