アレクシス(読み)あれくしす(その他表記)Willibald Alexis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレクシス」の意味・わかりやすい解説

アレクシス
あれくしす
Willibald Alexis
(1798―1871)

ドイツ作家。本名ウィルヘルム・ヘーリングブレスラウに生まれる。「ドイツでW・スコット歴史小説形式を彼ほど完全に駆使した者はいない」(ヘッベル)といわれた。プロイセンのスコットといわれるアレクシスは、故郷の歴史を正確な時代考証に基づき、その風物郷土文学を思わせる写実的筆法で描いた。『カバニス』(1832)、『ブレドウ氏のズボン』(1846)などはいわゆる分析小説への方向を示している。

谷口 泰]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレクシス」の意味・わかりやすい解説

アレクシス
Alexis

[生]前375頃.ツリオイ,ルカニア
[没]前275頃
ギリシア中喜劇の代表的な作家。一部新喜劇に属する。ツリオイ出身ではあるが,アテネを中心に活躍した。メナンドロス (ミリンダ) 王のおじといわれる。ギリシアの倫理学者で伝記作家のプルタルコスによれば,106歳まで生き,舞台の上で死んだとされている。生涯に 245の作品を書き残したといわれるが,断片多数が伝わっているだけで,完全な作品は現存しない。

アレクシス
Alexis, Willibald

[生]1798.6.29. ブレスラウ(現ポーランド,ウロツワフ)
[没]1871.12.16. チューリンゲン,アルンシュタット
ドイツの作家。本名 Georg Wilhelm Häring。イギリスの W.スコット影響を受けた歴史小説で知られる。フリードリヒ大王の時代を描いた『カバニス』 Cabanis (1832) や『ブレドー氏のズボン』 Die Hosen des Herrn von Bredow (46) など。

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