改訂新版 世界大百科事典 「ヘーリング」の意味・わかりやすい解説
ヘーリング
Karl Ewald Konstantin Hering
生没年:1834-1918
ドイツの生理学者,心理学者。アルト・ゲルスドルフで生まれ,ライプチヒ大学で医学を修めた。1860年から臨床助手として診療に従事するとともに視覚的空間知覚について研究した。65年ウィーンの陸軍軍医学校生理学教授に招かれ,70年プラハ大学に転じ,95年母校ライプチヒ大学の教授に就任。電気生理学,知覚生理学の発展に貢献した。とくに,〈ヘーリングの反対色説〉(ヘーリングの色覚説ともいう)を提唱するなど視覚,色彩感覚の理論にすぐれ,空間知覚についてヘルムホルツの経験説を批判し生得説を唱え,ゲシュタルト心理学に深い影響を与えた。また呼吸調節に関するヘーリング=ブロイエル反射の発見などの研究業績もある。
執筆者:本田 一二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報