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…ストリンドベリの影響を受けて劇作を始め,かたわらビュヒナーの《ダントンの死》を翻訳。50年《大小の作戦》と《侵入》が初演され,52年《パロディ》がロジェ・ブランによって演出されるに至って,一躍イヨネスコやベケットと並ぶアンチ・テアトルの旗手として注目を浴びた。53年プランション演出の《タランヌ教授》を機に,彼の作風は不条理劇から社会性の強いものへと変わり,ブレヒトの理論に共鳴して《パオロ・パオリ》《71年春》など,次第に強烈な政治性を帯びていった。…
…また,ドイツのB.ブレヒトの異化の手法を用いての問題発見とその解決を観客に迫る叙事演劇(のちには弁証法の演劇)も,その時代の,そして時代を超えた〈前衛精神〉の発露として多くの人々の共鳴するところとなっている。 さらに第2次世界大戦後には,1950年代のフランスを中心に現れた〈不条理absurdité〉または〈嘲弄dérision〉,さらには〈アンチ・テアトルanti‐théâtre(反演劇)〉,あるいはのちには単に〈ヌーボー・テアトルnouveau théâtre(新しい演劇)〉などと呼ばれた一群の演劇がある。いわば,その後60年代から70年代前半にかけての世界的規模での前衛劇運動の高まりの原動力となったものであり,また狭義にはこの一連の動きのみをいわゆる〈前衛劇〉と考える人も少なからずいるという点で,いずれにせよこれらの新しい演劇は,20世紀演劇における前衛精神を考える上では,とりわけ大きな意味をもつということができるだろう。…
※「アンチテアトル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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