ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラバル」の意味・わかりやすい解説
アラバル
Arrabal, Fernando
フランスの劇作家。3歳のときスペイン内乱が始り,父は逮捕されて死刑の宣告を受け,のち行方不明。この頃に受けたショックが後年の劇作に大きな影を落している。マドリードで法律を学んだあと,1954年に渡仏。 59年に第1作『戦場のピクニック』 Piquenique en campagneが出版され,翌年初演。数年のうちに欧米諸国における前衛演劇の旗手となった。アラバルの作風は,後年自身で「パニック劇」と呼んだように,純真な幼児の魂をもつ人間を取囲む残酷と倒錯に満ちた不条理の世界を,ユーモアとサディズム,夢想を織り交ぜて描くところに特色がある。代表作は『建築家とアッシリアの皇帝』 (1967) など。
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