精選版 日本国語大辞典 「アンドラ」の意味・読み・例文・類語
アンドラ
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フランスとスペインの国境をなすピレネー山脈の東部南斜面に位置する小独立国。日本ではアンドラ公国が正称。フランス語ではアンドールAndorreという。各国の正称はValls d'Andorra(スペイン語)、Les Vallées d'Andorre(フランス語)、政体を付した正称はCo-Principat d'Andorra(スペイン語、アンドラ共治公国の意)。面積468平方キロメートル、人口8万2000(2006国連推計)。首都アンドラ・ラ・ベッリャ。
ピレネー山脈の南を南東流するエブロ川の支流セグレ川の、さらに支流であるバリラ川の上流域を中心に広がる。平坦(へいたん)地は、狭い谷沿い、および高所の氷河谷である圏谷(カール)底にわずかにあるのみで、周りを2000~3000メートルの山々に囲まれており、最高地点は西部のコマ・ペドローザ山(2946メートル)である。フランスに抜ける唯一の整備された自動車道が国境のエンバリラ峠(2407メートル)を越えて通じている。この峠より7.5キロメートルほど西のアンドラ国内にある村ソルデューSoldeuは、イベリア半島で最高所(1825メートル)に位置する村である。気候は寒冷で厳しく、1月の平均気温は零下13℃、1600メートル以上は4~5月まで雪があり、峠も半年以上は雪で閉ざされる。
9世紀以来、領主ウルゼル伯の相続人であるフランスのフォア伯と、ウルゼル伯からアンドラ6教区を寄進されたスペインのウルゼル司教とが、アンドラの領有に関して争い、1278年に共同君主となることに定められた。フォア伯の領有権はフランス王、フランス大統領と受け継がれ、他方、ウルゼル司教はローマ教皇の支配下にあり、国際上の存在ではないため、19世紀以来フランスが保護領として外交を代行してきた。しかし、1993年に新憲法が施行され、両元首に外交と治安の象徴的権利を残して独立した(外交上両元首の利害にかかわることのみ承認が必要である)。国会は4年の任期で、7教区(パリッシュ)から各4名、合計28名が選出され、首相は国会が指名する。1993年には国連に加盟し、さらに1996年には欧州安保協力機構(OSCE)にも加盟した。日本は1993年に承認、1995年に外交関係を樹立、2005年1月にはフォルネ首相が来日している。しかし司法はなお両元首に依存する。民事裁判の場合には、一次の裁判は原告の選択による両元首のいずれかが判事を任命し、上訴審は5年ごとに両元首が交互に任命する判事によって行われ、最終審はフランスのペルピニャン高裁またはウルゼル司教の最高裁で行われる。また司法裁判の場合には、控訴審判事、議会の任命する2名の報告者、検事総長、両元首が5年ごとに交互に任命する代表から構成される法廷が監理する。
住民の3分の2は外国人、とくにスペイン国籍のカタルーニャ人で、国語はカタルーニャ語、公式宗教はカトリックである。主産業は牧畜(ヒツジ、ウシ、ウマなど)と農業(果物、小麦など)で夏には谷底の冬の家を出て高所に移動する移牧が行われる。しかし耕地は国土の約2%にすぎず、食料は輸入に依存している。国家経済を支えているのはピレネーから周囲に電波を送るラジオ放送の広告収入、切手収入(2002年1月、通貨にユーロが導入されるまでフランとペセタの2種類で発行されていた)、年間1200万人に達する避暑やスキーや登山に訪れる人々と無関税商品を求める買い物客の観光収入である。
[田辺 裕・滝沢由美子]
『田辺裕監修『世界の地理9 フランス』(1999・朝倉書店)』
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フランスとスペインの国境,ピレネー山脈にある小国。9世紀に独立し,13世紀以来フランス王とスペイン北東部カタルニャのウルジェイ司教の共同宗主権のもとに置かれたが,1993年新憲法によって国民主権を明記して国際連合へも加盟した。公用語はカタルニャ語だが,スペイン語,フランス語も通用する。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…インドは,1950年のシッキムとの条約でイギリスの立場を承継したが,75年,シッキムはインドの一州となった。被保護国が現存するかどうかであるが,ピレネー山脈の中にある小国アンドラは,フランス,スペイン両国の共同保護権の下にあるとしてよさそうである。宗主国・従属国【松田 幹夫】。…
※「アンドラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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