イエロー・ジャーナリズム(読み)イエロージャーナリズム

  • yellow journalism

百科事典マイペディアの解説

スキャンダル,センセーショナリズムを売物にするジャーナリズムをさげすんでいう言葉。1890年代のアメリカで行われた,ピュリッツァーの《ニューヨーク・ワールド》とハーストの《ニューヨーク・ジャーナル》との間の激烈な競争からこの言葉が生まれた。《ワールド》は日曜版に黄色の服を着た少年〈イエロー・キッド〉の漫画を掲載して人気を得ていたが,ハーストは漫画家も含めてそのスタッフを引き抜き,自分の新聞に〈イエロー・キッド〉の漫画をのせた。ピュリッツァーも別の漫画家に〈イエロー・キッド〉をかかせたので,2つの新聞で黄色い服の少年が宣伝された。部数拡大を至上目標として大衆に迎合するマス・ペーパーのあり方を,こうして黄色が象徴することになった。→赤新聞
→関連項目新聞ニューヨーク・タイムズペニー・ペーパー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

新聞が,扇情的な記事などを使って読者の関心をひき発行部数を伸ばそうとする行為。 1890年代にアメリカのニューヨークで,ピュリッツァー系の『ワールド』紙とハースト系の『ジャーナル』紙が演じた激しい部数拡張競争を表すことばとして用いられた。『ワールド』は当時すでに,派手な色使い,きわもの的な記事,政治や社会の不正糾弾などで成功を収めていた。『ジャーナル』はこれに対抗するため,同様の紙面構成をとる一方,『ワールド』で人気まんが「イエロー・キッド」を連載していたまんが家を引き抜いた。『ワールド』は新しいまんが家を雇って連載を継続,この両紙のつばぜり合いが,イエロー・ジャーナリズムということばを生んだ。この争いは両紙の発行部数を飛躍的に増大させ,全米のジャーナリズムに影響を与えたが,20世紀に入ると下火となった。日本でも戦後の一時期隆盛した。イエロー・ジャーナリズムの手法は,全面抜きの大見出しやカラーまんが,イラストの掲載といったかたちで今日まで使われ続け,テレビやインターネットでは一般的なものになっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

扇情的な記事とはでな見出しを使い、低俗な興味を誘う報道をいう。1890年代のニューヨークで、ピュリッツァーの『ワールド』紙とハーストの『ジャーナル』紙が報道合戦を演じ、人気のあった色刷り漫画『イエロー・キッド』を作者(R・F・アウトコールト)ごと奪い合うほか、セックス、スキャンダル、犯罪を書き立てて部数競争を行ったことから、この種の新聞は「イエロー・ペーパー」とよばれるようになった。両紙の競争は、スペインのキューバ植民地支配についても、事実を曲げ、事件を捏造(ねつぞう)するなど激化し、アメリカ・スペイン戦争(1898)を誘発する一因となったといわれた。センセーショナリズムと同意。

[小松原久夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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