精選版 日本国語大辞典 「イタリア人」の意味・読み・例文・類語 イタリア‐じん【イタリア人】 〘 名詞 〙 イタリア共和国の民族。紀元前千年ごろ北方から移動し、一派であるラテン人が中部イタリアのラティム地方に定着した。中世にはアラブ人との接触、ノルマン人などの侵入を受けた。ラテン人の特色として、比較的小柄で、黒色の瞳を持つ。宗教はほとんどすべてローマカトリック教である。伊人。[初出の実例]「必ず仏人、以太利人を雇ふてなさしむ」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イタリア人」の意味・わかりやすい解説 イタリア人[古代]イタリアじん[こだい]Italic peoples, ancient 前4世紀にローマ帝国に征服される以前にイタリア半島に居住していた種々の起源をもつ民族。イタリア半島には旧石器時代から人類が住み,新石器時代には非インド=ヨーロッパ系の地中海人種が現れる。前 1500年頃青銅器文明をもつインド=ヨーロッパ系のイタリックと総称されるラテン人,ウンブリア人が侵入。先住民族と混交しつつテラマーレ,ビラノーバ文化を形成した。彼らは半島全域,シチリアに広がり,一方北東部にはイリュリア系のベネチア人が,南東部にはイアピジ人が定着,中部には非インド=ヨーロッパ系とみられるエトルリア人が前9世紀以後定住,前7~5世紀に強勢を誇った。前8~7世紀にかけて,南部,シチリア,サルジニアにギリシア人,フェニキア人が植民した。前5世紀には北方からケルト人が侵入。このうちイタリック系のラテン人,サビニ人が集合してローマが生れ,彼らがイタリア全域に支配を広げるにつれて各民族が混り合いイタリア人が形成される。しかし紀元後まで各民族の言語,風俗の相違は存続し,「イタリア人」も総称として使われた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報