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イネハモグリバエ

世界大百科事典 第2版の解説

イネハモグリバエ【rice leaf‐miner】

双翅目ハモグリバエ科の昆虫。1901年に青森県で発見された寒冷地のイネの害虫。北海道西部から,東北・北陸地方にかけて分布している。幼虫がイネ(苗代の稲苗)やマコモの葉に潜入して葉肉を食害するのでこのように呼ぶ。成虫は,体長2~3mm,体は全体に黒色,胸部と腹部はやや光沢を帯びる。幼虫はうじむし形,成熟幼虫では,体長5~6mm,青緑色を呈する。蛹化(ようか)は葉の表面で行われる。さなぎには,細く褐色を呈するものと,太く黒色のものがあり,後者が越冬する。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イネハモグリバエ
いねはもぐりばえ / 稲葉潜蠅
rice leafminer
[学]Agromyza oryzae

昆虫綱双翅(そうし)目短角亜目ハエ群ハモグリバエ科に属する昆虫。日本各地に分布し、幼虫はイネに寄生して被害を与える害虫。成虫の体長は2.8ミリメートル、翅長3.2ミリメートルで、体は黒色で頭部前額(ぜんがく)は幅広く、1複眼の幅よりも広い。触角は短小で、触角の刺毛には微毛がある。はねは透明で斑紋(はんもん)はない。産卵期は苗代の苗が双葉を開くころで、卵は葉先近くの葉肉内に1個ずつ産み付けられる。産卵傷は白色で細長く、とぎれて現れる。傷葉(きずば)を注意深く透かしてみると、楕円(だえん)形の0.5ミリメートルぐらいの卵がみつかる。卵期は5~6日で、孵化(ふか)した幼虫は葉肉内を潜行しつつ袋状に食害する。幼虫期は10~14日で、成長した幼虫(ウジ)は体長5~6ミリメートルとなる。被害葉は葉先から白く変色して枯れる。蛹(さなぎ)は葉面でみつかるものが多いが、これには2型あることが知られている。体が細くて褐色を帯びたものは不休眠で、蛹(よう)期は10日で羽化する。体が太短くて黒色を帯びたものは休眠して越冬する。1年に2世代発生する。本種は、元来北方系の昆虫であり、稲作の被害は北海道、東北地方、北陸地方に比較的多い。[伊藤修四郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例