イブン・フルダーズベ(読み)イブンフルダーズベ

山川 世界史小辞典 改訂新版 「イブン・フルダーズベ」の解説

イブン・フルダーズベ
Ibn Khurradādhbih

?~912頃

イランムスリム地理学者アッバース朝官僚であり,バグダード駅逓局(バリード)の長官を勤め,その記録と個人的な知識を利用して,『諸道と諸国の書』(Kitāb al-Masālik wa al-Mamālik)という地理書を著した。この書はイスラーム世界のほか,アナトリアや中央アジアの地理,および中国沿岸に至る海上交通路をも述べ,のちのムスリムの地理書の模範となった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

百科事典マイペディア 「イブン・フルダーズベ」の意味・わかりやすい解説

イブン・フルダーズベ

イラン系イスラム教徒で地理学者。その著《道里および諸国記》はイランのジバール,バグダッドなどの駅逓局長としての職務上の知識を織り込んだ地理書で,当時のイスラム帝国の各駅間の里程を細かく書き込んであり,海上の部では中国の四つの都市名と朝鮮のことも記されている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android