インクライン

デジタル大辞泉 「インクライン」の意味・読み・例文・類語

インクライン(incline)

斜面勾配こうばいの意》傾斜面にレールを敷き、動力台車を動かして船・貨物を運ぶ装置京都市東山区蹴上けあげにあったものが有名。勾配こうばい鉄道。

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精選版 日本国語大辞典 「インクライン」の意味・読み・例文・類語

インクライン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] incline 「傾斜面」の意 ) 斜面にレールを敷き、動力で台車を走らせて船舶荷物などを運ぶ装置。一種ケーブルカーで、もと京都市の蹴上(けあげ)にあったのが有名。
    1. [初出の実例]「陸路蹴揚なるインクライン近傍御休憩所に着御」(出典:東京日日新聞‐明治二三年(1890)四月一二日)

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百科事典マイペディア 「インクライン」の意味・わかりやすい解説

インクライン

標高差の大きい二つの水路の間の輸送を容易にするための装置。普通,レールを敷いてワイヤロープで船などを載せた台車を昇降させる。琵琶湖疎水に設けられた京都市の南禅寺〜蹴上(けあげ)間のものはそのよく知られた一例だが現在は使われていない。運河間などで,かつて各地設置・利用されたが,リフト発達や他の輸送機関の発達もあって最近はあまり作られない。
→関連項目宮ヶ瀬ダム

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世界大百科事典(旧版)内のインクラインの言及

【ケーブルカー】より

… ケーブルカーは19世紀後半,山岳観光の普及に伴ってスイス地方で発展,日本では旅客用としては1918年奈良県生駒山につるべ式のケーブルカーが開通したのが最初である。ただし鉱山用の循環式は明治年間から広く用いられており,また琵琶湖疎水の完成(1890)に当たり,京都市蹴上(けあげ)に設置されたインクラインは,車両上に舟を積みとる大規模な循環式ケーブルカーであり,遺構は保存・展示されている。【中川 浩一】【八十島 義之助】。…

【琵琶湖疎水(琵琶湖疏水)】より

…同発電所は日本最初の一般営業用水力発電所で,95年にはこの電力によって日本最初の市電が走り,西陣ほか市内の工場の電化に役立つなど,琵琶湖疎水事業は京都市の近代化に大きく貢献した。また発電と舟運を両立させるため,蹴上には舟をレールに乗せて急こう配の斜面を引きあげるインクラインが設置された。第1疎水の成功後,水力発電の増強と水道用水確保のため,1908年に第2疎水の工事に着手,12年に完成し,前後して蹴上浄水場も建設された。…

※「インクライン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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