ほっそりとして優美な姿をもつ,跳躍の巧みなアンテロープの1種。偶蹄目ウシ科の哺乳類。頸部(けいぶ)も細く長い。雄は長さ50~75cmの角をもつ。四肢は長い。ケニア,ウガンダから南アフリカまでの明るい疎林,灌木地帯およびサバンナにすむ。体長1.1~1.5m,尾長25~40cm,肩高75~100cm,体重40~90kg。体色は背側が濃い黄褐色,腹側が白色。後肢の管骨の部分に黒色の毛房をもつ。跳躍はときにひと跳びで10m,高さ3mに達する。このような長いみごとな跳躍を間にはさみながら,高速で走り,敵から逃れる。6頭から,ときに200頭に達する群れでくらす。典型的な群れはハレムと呼ばれ,1頭の雄と多数の雌および子からなる。別にさまざまな年齢の雄のみからなる群れがあり,老いた雄はしばしば単独で生活する。他の群れのメンバーに対して寛容で,ときには群れがいくつか集まり,大群を形成して移動する。グラントガゼルなど他の草食獣といっしょにいる姿もしばしば見られ,アフリカの草原の景観の一部をなす種でもある。活動時間は昼夜の別なく,食事と休息や短時間の睡眠(まわりに敵のけはいなどがあるとすぐ起きる)を交互に繰り返す。食物は草,葉などで,つねに水場近くにとどまり,毎日必ず水を飲む。2~4月および8~10月の交尾期には,群れを率いる雄は雌に近寄る雄グループの雄をうなり声をあげて追い払う。雌は6ヵ月半の妊娠期間の後,群れを離れ,1子を生む。子が小さい間は母親どうしの群れに入り,後に元の群れに戻る。天敵はライオン,ヒョウなど。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。アフリカの東部から南部にかけて分布し、水辺の浅い森林や、アカシアなどの低木林に多い。肩高85~100センチメートル、体重60~75キログラム。角(つの)は雄だけにあり、長さ50~75センチメートルで、細長く節状の隆起があり、前からみると竪琴(たてごと)形である。背面は赤茶色、側面の下部は淡い黄土色、腹面は白色で、3色の境は明瞭(めいりょう)である。普通、雌と子を中心とした100頭以下の群れで生活し、朝と夜に草や木の葉などを食べ、日中と夜半は休息する。一般に乾期の初めが交尾期で、このころから群れは分散し、1頭の雄は15~25頭の雌を従え、雄どうしは激しく闘う。妊娠期間6~7か月ののち、雨期の初めに雌は普通1子を産む。子は2、3時間後には歩き、雄では1~2か月で角が生え始める。驚くと空中に2~3メートルも跳び上がる。走るのが速く、一跳び9メートル、ときに12メートルに達し、時速90キロメートルを超すともいわれる速さで走る。
[今泉忠明]
出典 小学館の図鑑NEO[新版]動物小学館の図鑑NEO[新版]動物について 情報
…(5)インパラ亜科Aepycerotinae 中型で角は雄にだけあり,細長く,前から見ると幅広の竪琴形。アフリカ産でインパラAepyceros melampus1種だけを含む。(6)ガゼル亜科Gazellinae 小型か中型で優美で,多くが眼下腺をもつ。…
…すべてアフリカ産で,鼻先がサイガのようにふくれるリーボックPelea capreolus,水辺の草原にすむリードバックRedunca arundinum,水によく入るウォーターバックKobus ellipsiprymnusなど3属10種がある。(5)インパラ亜科Aepycerotinae 中型で角は雄にだけあり,細長く,前から見ると幅広の竪琴形。アフリカ産でインパラAepyceros melampus1種だけを含む。…
※「インパラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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