ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィリアム4世」の意味・わかりやすい解説
ウィリアム4世
ウィリアムよんせい
William IV, Duke of Clarence
[没]1837.6.20. バークシャー,ウィンザー
ハノーバー朝第5代のイギリス王 (在位 1830~37) 。ジョージ3世の3男として生れ,1789年クラレンス公となる。 79年以来海軍に勤務,99年海軍大将,1811年同元帥,27年海相。以上の経歴から"Sailor King"と呼ばれた。 30年長兄ジョージ4世の死により即位。 32年の第1次選挙法改正法案成立に際し,同法案に反対する上院 (貴族院) の多数派を屈服させるため,必要な人数の新貴族の叙位を C.グレー内閣から要請されたが,これを拒否。しかしウェリントン (公)が組閣に失敗すると,これに同意し,法案成立の決定的要因をつくった。 1791年頃より女優 D.ジョーダンと同棲し,10人の子をもうけたが,1818年ザクセンのマイニンゲン公女アデレードと結婚。しかし2人の王女はいずれも若死にしたため,王の死後は姪のビクトリアが王位を継承した。
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