ジョージ3世(読み)ジョージさんせい(英語表記)George III

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョージ3世」の意味・わかりやすい解説

ジョージ3世
ジョージさんせい
George III

[生]1738.6.4. ロンドン
[没]1820.1.29. バークシャー,ウィンザー城
ハノーバー朝第3代のイギリス王 (在位 1760~1820) 。ジョージ2世の孫。イギリスで生れ教育を受けた最初のハノーバー朝国王として,前2代と異なり国王大権の回復を志した。そのために議員を買収して「国王の友」と称する一団を議会内に形成し,それまでホイッグ党政治家が行使してきた多数派工作をみずから踏襲して,直接国政を指導しようとした。その結果,ホイッグ党政治家たちは退けられ,ビュート (伯),F.ノースらのトーリー党政治家が登用されたが,ノース政権下にアメリカ独立戦争が勃発し,結局アメリカの独立を認めることになった。この時期に王の威信は低下したが,その後ピット (小)に国政 (首相在任 1783~1801,04~06) をゆだね,フランス革命期の内外の危機を乗切ることができたが,その間に内閣,首相の地位も確立するにいたった。 1809年に王は失明し,11年には以前からその兆候のあった精神異常が決定的となって発狂し,皇太子 (のちのジョージ4世 ) が王の死まで摂政をつとめた。

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