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ウィーゼル Wiesel, Torsten Nils

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウィーゼル
Wiesel, Torsten Nils

[生]1924.6.3. ウプサラ
スウェーデンの神経生物学者。カロリンスカ研究所で医学を修め (1954) ,アメリカのジョンズ・ホプキンス大学に招かれる。 1959年にハーバード大学に転じ,同大学教授 (74) 。同僚の D.H.ヒューベルと共同で大脳皮質視覚野の構造,機能を詳細に解明し,大脳半球の機能分化を研究した R.W.スペリーとともに 81年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

ウィーゼル
Wiesel, Elie

[生]1928.9.30. ルーマニア,シゲト
[没]2016.7.2. アメリカ合衆国,ニューヨーク,ニューヨーク
ルーマニア生まれのアメリカ合衆国のユダヤ系作家。別名 Eliezer Wiesel。第2次世界大戦期のユダヤ人虐殺(→ホロコースト)の,冷静ながら烈々たる証言を示す作品で知られる。1944年アウシュウィッツ収容所に家族とともに送られ,両親ら親族を失った。戦後はパリに移住,1948~51年ソルボンヌ大学で学び,卒業後フランスとイスラエルの新聞に執筆。1956年アメリカに移住し,1963年市民権を得た。1972~76年ニューヨーク市立大学教授を務め,1976年ボストン大学でアンドリュー・W.メロン記念人文学教授に就任。フランスでのジャーナリスト時代,作家フランソア・モーリヤックから強制収容所での体験の証言者となるよう促され,イディシュ語による第一作 "Un di velt hot geshvign"(1956)と,それを縮めたフランス語の『夜』La Nuit(1958)を執筆。『夜』と,『夜明け』L'Aube(1960),『昼』Le Jour(1961)の自伝的三部作で注目を集めた。ほかの著作に『エルサレムの乞食』Le Mendiant de Jérusalem(1968),評論『今日のユダヤ人』Un juif aujourd'hui(1977)など。それらの作品は,ホロコーストの生き残りとしての経験や,なぜホロコーストが起こったのか,それが明らかにする人間の本質とはなんなのかという倫理的な苦悩の解決の試みを反映する。作風にはユダヤの民話や瞑想的なハシディズム文学(→ハシディズム)の影響が認められる。1986年ノーベル平和賞受賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

ウィーゼル【Elie Wiesel】

1928‐
アメリカの小説家。著作はフランス語による。ルーマニアで生まれ,いわばユダヤ神秘家として少年期を送る。1944年春,アウシュビッツ強制収容所に移送され,神を疑ったが,信仰を捨てなかった。彼によれば,神への反抗もユダヤ教の伝統の一部をなす。解放後フランスに移住して新聞記者となり,収容所経験を証言した《夜》(1958)を書く。ニューヨーク滞在中にビザの期限が切れ,アメリカの市民権を取得する。《幸運の町》(1962)などの自伝的小説,ソ連紀行《沈黙のユダヤ人》(1966),六日戦争から生まれた《エルサレムの乞食》(1968),証言を主題とした《コルビラーグの誓い》(1973),アルツハイマー病者による記憶の伝達をめぐる《忘れられた者》(1989),ユダヤ教の伝統と取り組んだ研究《称揚》連作(1972‐91),自叙伝2巻ほかがある。

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大辞林 第三版の解説

ウィーゼル【Elie Wiesel】

1928~ ) トランシルバニア生まれのユダヤ人作家。国籍はアメリカで、作品はフランス語で書く。ナチスの強制収容所の経験を作品に定着。著「夜・夜明け・昼」など。

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