ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウルマン」の意味・わかりやすい解説
ウルマン
Ullmann, Liv
ノルウェーの女優。フルネーム Liv Johanne Ullmann。飾らない美しさと知性,陰影に富んだ演技で知られ,スウェーデンの映画監督イングマール・ベルイマンの作品に数多く出演している。エンジニアだった父親の仕事の都合により日本で生まれ,ノルウェー,カナダ,アメリカ合衆国などで育った。10代のときロンドンとノルウェーで演技を学び,オスロの国立劇場で上演された演劇数本に出演。ベルイマン監督とは『仮面/ペルソナ』Persona(1966)に主演して以来,長年にわたって公私両面でパートナーとなった。ベルイマン作品での演技は幅広い称賛を浴び,国際的なスターの座を獲得。2人が組んだ作品には『狼の時刻』Hour of the Wolf(1968),『叫びとささやき』Cries and Whispers(1972),『秋のソナタ』Autumn Sonata(1978)などがある。映画出演のかたわら,舞台でも活躍。アメリカの演出家ホセ・キンテーロと組んだ作品も多い。1990年代には監督業にも乗り出し,ベルイマン脚本による『不実の愛,かくも燃え』Trolösa(1999)などを手がけた。
ウルマン
Woolman, John
[没]1772.10.7. イギリス,ヨーク
アメリカのクェーカー伝道者。正規の教育は受けず,仕立屋をはじめさまざまな仕事をしながら,諸処を遍歴して説教した。奴隷制度に反対する『黒人所有に関する考察』 Some Considerations on the Keeping of Negroes (1754,1762) をはじめ多くの著作があるが,彼が 36歳から死ぬまで書き続けた『日記』 Journal (1774) は,当時の宗教生活の記録として,また精神的自伝として重要。
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