日本大百科全書(ニッポニカ) 「エカチェリーナ(1世)」の意味・わかりやすい解説
エカチェリーナ(1世)
えかちぇりーな
Екатерина Ⅰ Алексеевна/Ekaterina Ⅰ Alekseevna
(1684―1727)
ロシアの女帝(在位1725~27)。英語ではキャサリンCatherine。リトアニア農民の娘として生まれた。北方戦争中マリエンブルクでロシア軍に捕らえられ、すぐにピョートル1世(大帝)のよき伴侶(はんりょ)となり、1724年に正式に皇后となった。ピョートルの死後、近衛(このえ)兵に推されて帝位についた。国政をみず、実権はメンシコフ公に帰した。翌年、メンシコフの専横を嫌った他の重臣たちは枢密院をつくり、これにより帝権を制約した。ピョートル1世の遺志を継いでロシア科学アカデミーを創設した(1725)。彼女はその死(1727年5月6日)の直前、遺言で帝位にピョートル1世の孫ピョートル2世を指名した。
[伊藤幸男]
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