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エネルギー変換 エネルギーへんかんenergy conversion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エネルギー変換
エネルギーへんかん
energy conversion

エネルギーが1つの形態から他の形態へ変る過程。自然界では太陽エネルギーにより海水が蒸発し,大きい位置エネルギーをもった雲となり,雨となって降るときに運動エネルギーに変換される。人類は古代より有用なエネルギーを得る変換装置を開発してきた。水車は流水の運動エネルギーまたは高所の水の位置エネルギーを回転運動のエネルギーに変換する装置であったが,大規模な水力発電機へと発展して巨大なエネルギーを生むようになった。また燃料に含まれる化学エネルギー燃焼によって熱エネルギーへと変換され,料理や暖房に利用される。エネルギーの形態は,運動,位置,圧力,音,熱,光,電気,化学,原子核など千差万別であるが,これらの間の変換を支配する基本原理はエネルギー保存則である。この保存則は流体ではベルヌーイの定理,熱では熱力学第一法則,ギブズの自由エネルギーの関係式,原子核では質量とエネルギーの等価則などとして現れる。エネルギーが他の形態へ変換するとき,位置エネルギーから運動エネルギーへの変換や力学エネルギーから熱エネルギーへの変換のように効率 100%のものもあるが,原理的に完全には他の形態に変換できないものが多い。熱機関による熱エネルギーから力学エネルギーへの変換効率の最大値を決めるのがカルノーの定理であって,実用的な温度条件のもとでは理想的な効率でも 50~60%をこえられず,巨大装置では効率をこれに近づけることができるが,通常の自動車エンジンでは 20%程度にすぎない。有用なエネルギーを得るためには数段階の変換を経ることが多く,たとえば火力発電では,燃料の化学エネルギーが燃焼して熱エネルギーへ,これが蒸気の熱エネルギーとなり,さらに蒸気噴流の運動エネルギーを経由して回転子の回転運動エネルギーとなって,ようやく発電機の端子から電気エネルギーとして送り出される。これらの各段階での変換損失は,装置の巨大化によってかなり改善されるとはいえ,段階数を減少して効率の上昇をはかる努力がなされている。電磁流体力学的な直接発電 (MHD発電 ) などはその例である。また無尽蔵ともいえる太陽エネルギー,原子核エネルギーを変換利用するものとして小型の太陽電池,原子電池,大型のソーラー・ハウス,太陽熱発電所,原子炉,熱核融合炉などの開発が急がれている。

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