オイカワ(英語表記)Zacco platypus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オイカワ
Zacco platypus

コイ目コイ科の淡水魚。全長 16cm。関東地方ではヤマベ,関西ではハエと呼ぶ。体は細長く側扁する。背部は茶褐色体側腹面銀白色で,体側に数個の淡紅色斑がある。口ひげはなく,尻鰭が長い。産卵期 (5~8月) になると雄は赤,青を交えた鮮かな婚姻色を呈し,尻鰭が伸びる。河川の中・下流域,湖,池にすむ。日本,朝鮮,台湾,中国の一部に分布する。

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百科事典マイペディアの解説

オイカワ

コイ科の魚。地方名ハヤ,ハエ,ヤマベなど。全長は雄16cm,雌12cm。関東地方以西〜朝鮮半島,台湾,アジア大陸の一部に分布,現在では東北地方でも繁殖している。湖や沼,河川の中流域や湖の沿岸部に多い。雑食性。毛針釣など,釣の対象魚として人気がある。食用にもする。産卵期の雄はあざやかな婚姻色追星(おいぼし)を現し,しりびれが大きくなる。
→関連項目ハスハヤヤマベ

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栄養・生化学辞典の解説

オイカワ

 [Zacco platypus].硬骨魚綱新鰭下綱コイ目の食用の淡水魚で,ハヤともいわれる.

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世界大百科事典 第2版の解説

オイカワ【Zacco platypus】

コイ目コイ科の淡水魚(イラスト)。和名のオイカワは琵琶湖周辺での繁殖期の雄を指す方言を採用したもので,西日本ではハエまたはシラハエと呼ぶところが多い。ヤマベ(東京),ハス(大阪。ちなみに大阪では和名のハスをケタバスという),ジンケン(長野)など地方名が多い。日本,朝鮮半島,台湾およびアジア大陸の一部に分布。日本では元来は関東以南(以西)に分布していたが,琵琶湖のコアユの移殖事業が盛んになるにともなって,コアユに混じって運ばれ,現在では東北地方をはじめ各地で繁殖している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オイカワ
おいかわ / 追河
[学]Zacco platypus

硬骨魚綱コイ目コイ科に属する淡水魚。ハエ、シラハエ、ハス、ヤマベ、アサジ、ジンケン、ショウハチなどの地方名がある。日本海側は信濃(しなの)川、太平洋側は利根(とね)川以西の本州と九州、四国の一部に分布していたが、アユの放流種苗に混じって各地に移入され、現在では北海道と沖縄を除く日本全国に広がっている。朝鮮半島、台湾、中国にも分布する。全長15センチメートルぐらいの小魚で、側線が下方に湾曲し、口ひげはない。カワムツに似ているが、体側の色斑(しきはん)が明瞭(めいりょう)に異なる。湖の沿岸部や川の中下流の平瀬など、浅く開けた水面に多く生息し、付着藻類を主食とし、石表面に小さい食(は)み跡を残す。水生、陸生の昆虫や浮遊生物も摂食する。5~8月に川の平瀬や湖岸部の砂礫(されき)底に産卵する。この時期の雄は、体色が赤、青、緑に濃く彩られるので、ジョロウブナ、アカハエなどともよばれる。
 河川改修、水質汚濁、ダムや堰堤(えんてい)の建設など河川環境の人為的改変は、ほかの魚種を減少させる傾向があるのに対して、本種には大きな悪影響を与えず、逆に繁殖を促進することが多い。したがって、本種の増加を喜ぶことは一般に的はずれといえる。晩秋から早春の寒い季節によく食用とされる。[水野信彦]

釣り

清流は四季を通じ、湖沼は初夏から夏にかけてが釣り期である。関東地方、とくに東京周辺では春と秋で、関西地方では寒中を釣り期とする。水温の上昇する5月ごろから初秋までは、玉ウキ1個をつけ、川の岸寄りの石下にいるチョロムシとか瀬虫(せむし)とよばれるカワゲラ類の幼虫を餌(えさ)にして流し釣りをする。これがフカセ釣りである。寒中はやや水深のある場所を釣るので炒糠(いりぬか)、酒粕(さけかす)、蛹粉(さなぎこ)などを混合した寄せ餌(え)を投入しながら、立ちウキなどで釣る。この時期の餌はサシ(サバムシ)や練り餌がよい。なお西日本ではスパゲッティの紅染めなども用いる。[松田年雄]

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世界大百科事典内のオイカワの言及

【生物群集】より

… だがこれとは異なって,種間で互いに融通をつけ合う場合も多い。付着藻類しか食わぬアユが多いと,カワムツ,オイカワ,ウグイといったコイ科の浮き魚は,藻類を多少とも食う状態から,落下ないし流下昆虫を専食するように食性を変える。また,カワヨシノボリやシマドジョウのような小型の底生魚は,大型のズナガニゴイやカマツカのいる所では,水生昆虫をそれに譲っておもに藻類を食う。…

※「オイカワ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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