ソ連邦・ロシアの詩人。グルジア人,アルメニア人の父母のあいだにモスクワで生まれる。18歳で学徒兵として第2次大戦に従軍。スターリン批判後に詩人としてデビュー,自作詩をギターにあわせて歌う〈吟遊詩人〉としても有名。処女詩集《抒情詩》(1956)ほか,《島》(1959),《陽気な鼓手》(1964)など,抒情性と軽妙な風刺,哀感にあふれる詩作品で知られる。また戦争体験をもとにした中編《学徒兵よ,達者で》(1961)以来,散文ジャンルにも活躍,代表作に歴史小説《哀れなアブラシーモフ》(1969),《メルシー,あるいはシーポフの冒険》(1971),《ディレッタントの旅》(1978)などがある。
執筆者:安井 侑子
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ロシアの詩人。モスクワ生まれ。第二次世界大戦に学徒兵として参加、負傷して復員後、トビリシ大学に学び、教員生活を経て、1956年に詩集『叙情詩』で文壇に登場。詩、小説その他多彩なジャンルにわたり活躍を続けた。戦争のテーマや、日常生活の哀感と詩情をリリカルに歌った叙情詩に優れ、またギターを弾きながら自作詩を朗読する現代詩人の草分け的存在でもあった。代表的詩集に『島』(1959)、『陽気な鼓手』(1964)、『心ひろき三月』(1967)などがある。また戦争体験をつづった小説『少年兵よ、達者で』(1961)以後、歴史小説に意欲的に取り組み、『哀れなアブラシーモフ』(1969)、『ディレッタントの旅』(1979)などの作品を発表。1994年には、ソ連邦崩壊後ロシアでもっとも権威のある文学賞である「ロシア・ブッカー賞」の第3回受賞者となった(『閉鎖された劇場』)。1989年(平成1)初来日、レコード『ブラート・オクジャワ/青い風船』が発売された。
[安井侑子]
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