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オシェロフ Osheroff, Douglas D.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オシェロフ
Osheroff, Douglas D.

[生]1945.8.1. ワシントン,アバディーン
アメリカ合衆国の物理学者。フルネーム Douglas Dean Osheroff。1973年コーネル大学で博士号を取得。ベル研究所研究員などを経てスタンフォード大学教授。1970年代初めコーネル大学低温実験室でデービッド・M.リー,ロバート・C.リチャードソンとともに,ヘリウム3における超流動の実験を行ない,絶対温度 0.002Kまで冷却されたヘリウム3が液体としての粘り気を失って容器の壁面を登り外に流れ出ることを確認した。この超流動ヘリウム3は,1930年代に発見されたヘリウム4とは発生の仕組みがまったく異なっていた。この発見は量子力学統計熱力学,さらに高温超伝導などさまざまな分野での研究,解明に道筋を与えるものとして,1996年にリー,リチャードソンとともにノーベル物理学賞を授与された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オシェロフ
おしぇろふ
Douglas D. Osheroff
(1945― )

アメリカの実験物理学者。ワシントン州のアバディーン生まれ。高校時代は、物理と化学の成績がよいふつうの生徒であった。スタンフォード大学に在学していた兄と比べられるのが嫌でカリフォルニア工科大学に進学し、そこでR・ファインマンの有名な学部生向けの講義を受ける。1967年に卒業、大学院はコーネル大学に進み、低温物理学研究所所長のD・リーと知り合う。リーの教育助手を務め、低温物理研究グループに参加するように勧められる。1973年に博士。大学院生だった1971年、絶対零度(-273.15℃)近くの極低温にしたヘリウムが「相転移」をおこす現象の兆しをとらえ、1972年に確認した。極低温で相転移をおこしたヘリウム3は「超流動」とよばれる特殊な状態になる。超流動状態では、原子や分子などのミクロの世界が従う量子力学の法則が、マクロな状態で実現する。コップの中のヘリウム3が、コップの壁を伝って外部に流れ出す現象が有名である。1972年から1982年までベル研究所で研究を進め、1982年から1987年までは同研究所で固体物理と低温物理の研究リーダーを務めた。1987年にスタンフォード大学教授。ヘリウム3の超流動の発見で、大学院生時代に指導してくれたリー、R・リチャードソンとともに、1996年のノーベル物理学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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