オデッサ(英語表記)Odessa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オデッサ
Odessa

アメリカ合衆国,テキサス州西部の都市。地名は,1881年この地の鉄道建設に従事したロシア人労働者たちが,故郷オデッサの風光に似ているところから命名したもの。 86年ドイツ人移民が入植。周辺はテキサス州南部の高原地帯で,牧畜や遠郊農業が行われる。 1920年代の石油の発見後,オデッサは急速に拡大された。豊かなパーミアン盆地の油田地帯を控え,石油精製,輸送,化学工業の中心をなす。岩塩,カリウム,石墨の埋蔵量も豊富。テキサス大学パーミアンベースン校 (1970創立) がある。人口8万 9699 (1990) 。

オデッサ
Odessa

ウクライナ南部,オデッサ州州都黒海北西岸,ドネストル川河口の北東方に位置する港湾都市。 14世紀タタール人がハジベイと呼ぶ要塞を築いたのが現在の市の始りで,リトアニア=ポーランド領,トルコ領を経て,1791年ロシア領となった。その後 92~94年に新たに要塞と港が建設され,95年,古代にこの地の近くにあったとされるギリシアの植民市オデッソスにちなんでオデッサと改名された。 19世紀後半,特に 1866年の鉄道開通以来急速に発展。港はウクライナの穀物輸出港として繁栄し,南ロシア最大の港となった。現在でもウクライナ最大の港湾として,穀物,石炭,石油,機械類などの輸出入を行うとともに,漁港としても重要。 1957年には南約 20kmのイリイチョフスクに外港が建設された。陸上交通の要地でもあり,ウクライナ各地のほか,モルドバ,ルーマニアとも鉄道,道路で結ばれている。工業部門でも発展し,機械 (工作機械,クレーン,輸送機器,冷凍設備,映写機) ,船舶修理,食品,製油,化学 (肥料,薬品,塗料) ,繊維などの工業がある。市内にはオデッサ大学 (1865) ,商船大学,海軍大学,劇場,博物館,映画製作所など多くの教育・文化施設がある。エイゼンシュテインの映画でも知られるポチョムキン号の反乱 (1905) の舞台となったところとして知られ,海岸通りに面して「ポチョムキン階段」がある。市内,市郊外の海岸沿いの丘陵上には保養地も多く,レールモントフスキー,アルカジヤ,クヤリニツキー,ハジベイスキーなどは有名。人口 110万 1000 (1991推計) 。

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百科事典マイペディアの解説

オデッサ

ウクライナ南部,黒海に臨む港湾都市。海陸交通の要地。機械・化学・食料品工業などが行われる。総合大学がある。付近に鉱泉があり,海浜保養地でもある。古代ギリシアの植民市オデッソスがあったと誤認されこの名がついた。1792年ロシア領,1795年港と海軍基地が建設されオデッサに改称された。19世紀末から20世紀初頭にかけて,ウクライナ人とユダヤ人の文化的中心地であり,またさまざまな政治運動も活発であった。1905年港でポチョムキン号の反乱があった。第2次大戦の激戦地。ソ連時代には軍港として繁栄。100万8162人(2012)。
→関連項目エテリア戦艦ポチョムキン

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世界大百科事典 第2版の解説

オデッサ【Odessa】

ウクライナ南部,黒海にのぞむ都市。人口110万1000(1991)。あらゆる意味でウクライナ南部の中心都市で,オデッサ州の州都。気候は比較的穏やかで(月平均気温は1月-3℃,7月22℃,年降水量351mm),ロシアの人々のあこがれる〈南〉を象徴する都市の一つとして,多くの観光客や保養客をひきつけている。産業面では機械・造船を中心とする重工業発達し,またオデッサ港は,交通面でも漁港としても,黒海沿岸の都市の中で中心的な位置を占める。

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大辞林 第三版の解説

オデッサ【Odessa】

ウクライナの黒海に面する港湾都市。造船・化学・機械・製粉などの工業が発達。軍港。1905年戦艦ポチョムキン号の反乱が起こった。

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世界大百科事典内のオデッサの言及

【ウクライナ】より

…ロシアを除けば,国土面積ではヨーロッパ最大,人口ではドイツ,イギリス,フランス,イタリアに次ぐ。ハリコフ,キエフ,オデッサなど24の州oblast’とクリミア自治共和国からなる。ウクライナという名称は〈辺境〉を意味するクライkraiからつくられたもので,12世紀ころから使われていた。…

【黒海】より

… 黒海は水上交通上重要であり,たとえば旧ソ連の輸出の約1/2,輸入の約1/4は黒海経由で行われた。おもな港には,ロシアのノボロシースク,グルジアのバトゥーミ,ウクライナのオデッサ,セバストポリ,ブルガリアのバルナ,ブルガス,ルーマニアのコンスタンツァ,トルコのトラブゾン,サムスン,ゾングルダクなどがある。漁獲量は年25~30万tで,その約2/3をアンチョビーが占め,ほかをアジ,イワシ,ハガツオ,ニシン,ヒメジ,ボラ,サバ,チョウザメ,イルカなどが占める。…

※「オデッサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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