スマートフォンやパソコンの画面などを通じて、遠隔で医師の診察を受ける仕組み。医師と直接対面しない診療は、当初は情報通信機器を用いた「遠隔診療」として離島やへき地などで認められ始めた。技術進歩などにより診察の対象範囲が広げられ、オンライン診療として2018年に公的医療保険の適用を開始。それでも初診は離島での緊急時などを除き禁止だったが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う特例として20年に全国で初診を認めた。22年に初診解禁を恒久措置とした。
更新日:
出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
遠隔医療のうち、医師―患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察および診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為(厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」平成30年3月。令和4年1月一部改訂)。ここでいう「遠隔医療」とは、「情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為」のことである。
「オンライン診療の指針」は、オンライン診療を実施するにあたり、診察場面等の個々の場面で、最低限遵守する事項および推奨される事項等を示しており、安全性・必要性・有効性の観点からオンライン診療を普及推進するために策定されたものである。この指針では、初診からのオンライン診療は原則として「かかりつけの医師」が行うこととされており、急病急変患者については対面診療が原則とされている。
オンライン診療の取扱いに関するこれまでの経緯として、2020年(令和2)2月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)により医療機関の受診に影響が出た状況を受け、厚生労働省より「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」(令和2年4月10日付事務連絡)および「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いに関する留意事項等について」(令和2年8月26日付事務連絡)が出され、感染が収束するまでの間の時限的・特例的な対応として、初診等の対面診療の原則が緩和された。その後、感染者の発生状況の変化を受け「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」(令和5年3月31日付事務連絡)が出され、診療報酬上の特例等については終了となった。
現状は、患者の利便性、医療ニーズの変化、地域の医療提供体制の変化、情報通信技術の発展普及に伴いオンライン診療(情報通信機器を活用した診療)への期待は高いと思われるが、広く普及しているとはいえない状況である。こうしたなか、適正で幅広い普及の推進のため「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針」(令和5年6月)が策定された。このなかには「医師と患者間での遠隔医療(オンライン診療等)」と「医師等医療従事者間での遠隔医療」について、期待される役割、利用実態や課題、今後の方向性などの考え方がまとめられている。
オンライン診療は、患者の受診手段の選択肢を増やし、受診機会を確保するとともに、医師不足や医師偏在への対策として地域の医療提供体制の確保にも有効な手段と考えられる。今後のオンライン診療の普及・推進が期待される。
[前田幸宏 2024年11月18日]
(2018-3-6)
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新