オーストラリア諸語(読み)オーストラリアしょご(英語表記)Australian

翻訳|Australian

精選版 日本国語大辞典 「オーストラリア諸語」の意味・読み・例文・類語

オーストラリア‐しょご【オーストラリア諸語】

〘名〙 タスマニア島およびオーストラリア大陸内の先住民の諸言語総称オーストラリア先住民語とも。先住民の起源については、インドネシアからの移住説が有力で、共通祖語から分岐した可能性が高い。消滅したり消滅の危機に瀕している言語もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「オーストラリア諸語」の意味・読み・例文・類語

オーストラリア‐しょご【オーストラリア諸語】

オーストラリア先住民の言語の総称。18世紀にヨーロッパ人が到来したころは推定約200の言語が話されていたが、現在はそのうち多くが消滅して4、50にすぎない。系統は不明。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「オーストラリア諸語」の意味・わかりやすい解説

オーストラリア諸語 (オーストラリアしょご)
Australian

アボリジニーの言語。約200年前,白人到来のときに原住民語は200以上もあったが,今日話されているのは40~50である。系統についてはさまざまな説があるが,確かなことはわかっていない。これら言語の大部分では母音はa,i,uの三つしかない。名詞人称代名詞は格語尾をもち,動詞もまた語尾で活用を示す。名詞には数の区別がないが,人称代名詞単数(1人),両数(2人),複数(3人以上)を区別する。敬語に似た〈敬遠語〉とでも称すべき語法があり,例えば男が自分の妻の母に関する話題を話すとき(男は妻の母に直接話しかけることは許されない)や自分の妻の父と話すときに使われる。
タスマニア語
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「オーストラリア諸語」の意味・わかりやすい解説

オーストラリア諸語【オーストラリアしょご】

オーストラリアの先住民の言語。話し手は約4万人だが言語数は100近い。研究は不完全で,他の語族との親族関係はもとより諸語間の系統関係も明らかでない。先住民運動の活発化とともに,言語の保存・復活の試みが行われている。→アボリジニータスマニア[人]
→関連項目アウストロネシア語族パプア諸語

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オーストラリア諸語」の意味・わかりやすい解説

オーストラリア諸語
オーストラリアしょご
Australian aboriginal languages

オーストラリア大陸に行われる,先住民の約 200の言語の総称。話し手総数約4万 7000人。音韻面の類似が大きいこと,いくつかの文法上の特色に類似がみられること,共通の単語がみられることから,一つの共通祖語の存在の可能性も考えられる。名詞や動詞の屈折の仕方から,(1) 接頭辞言語群,(2) 接尾辞言語群,(3) 混合言語群に分類され,(1) は名詞の類別法によって,(2) ,(3) は地理的分布によって,それぞれさらに細かく分類される。パプア,メラネシア,タスマニアなどの諸言語との親縁関係はまだ証明されていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android