南アメリカ北東部にあるフランス領ギアナの主都で,同地域唯一の貿易港。人口5万0395(1999)。市街はカイエンヌ河口の中州にある。気候は熱帯多雨地帯に属し,年平均気温は27℃,年降雨量は3000mmに達する。町は1643年フランスの植民地として設立されたが,のちに政治犯の流刑地になった。19世紀末,ゴールドラッシュによって人口が急増した時代を除き町の発展は停滞したが,1946年本国の行政改革で海外県となり開発のてこ入れが強化されたため,同市内にも少しずつコンクリートの建築物が増えている。市街はほぼ碁盤目状に仕切られ,中央に広場があり当市出身の黒人政治家フェリクス・エブエの記念碑とヤシ樹林がある。カイエンヌと他の集落を結ぶ砂利道が海岸沿いに約300kmあるのみで,内陸へは小型船舶または航空機を利用するほかなく,移住と開発が後れている。
執筆者:寿里 順平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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南アメリカ北部、フランス領ギアナの首都。同地域の北東部、大西洋に面し、カイエンヌ川河口の同名の島に位置する港市。人口5万0594(1999)、5万7614(2015センサス)。1643年にフランス人によって建設され、ギアナにおけるフランスの基地として重視された。付近はコーヒー、ココア、コショウ、砂糖、米を産する農業地域で、それらの集散と、金、木材の輸出が行われる。卓越する北東風で夜は涼しく、気候はしのぎやすい。ヤシの種類を多く集めている植物園や博物館などは一見の価値がある。
[山本正三]
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…人口は14万5000(1995)。主都カイエンヌ。北部の海岸にはわずかな低地帯があり,中央内陸部は熱帯雨林におおわれた丘陵地とサバンナとからなり,南部奥地に進むにしたがい花コウ岩のギアナ高地につき当たる。…
※「カイエンヌ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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