カマ川(読み)カマがわ(その他表記)reka Kama

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カマ川」の意味・わかりやすい解説

カマ川
カマがわ
reka Kama

ロシア中西部を流れる川。ボルガ川最大の支流左岸に注ぐ。全長 1805km。流域面積 50万 7000km2ウラル山脈中部の西方にある上カマ丘陵に源を発し,大きく弧を描くように北流,東流,南流し,ペルミを過ぎて南西流,ウラル山脈南部から西流してきた左岸支流ベーラヤ川を合せてから西に流れを変え,さらに右岸ビャトカ川を合せたのち,ボルガ川中流部に造られた人造湖カザンの下流で流入する。ペルミの上流にカマ発電所とダム,下流にボトキンスク発電所とダムがあるほか,1978年にはベーラヤ,ビャトカ両川流入点の間に下カマ発電所とダムが完成した。上流部は 11月初旬~4月下旬,下流部は 11月下旬~4月中旬は結氷。ウラル,シベリア方面への連絡水路として,またボルガ川水系の水路の一環として,ロシアの最も重要な河川の一つであり,ボルガ川への流入点からケルチェフスキーまで 966kmが航行可能。またペルミからボルガ川経由でモスクワ (2287km) ,アストラハン (2605km) ,ロストフナドヌー (2706km) へ急行船便がある。沿岸主要都市はペルミのほか,上流よりソリカムスクベレズニキクラスノカムスクサラプルナベレジヌイエチェルヌイチストポリ。カマ川沿岸は風光に恵まれ,観光ピクニックのため訪れる人が多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「カマ川」の意味・わかりやすい解説

カマ[川]
Kama

ロシア連邦ヨーロッパ・ロシアの東部を流れる,ボルガ川左岸の最長の支流。長さ1805km,流域面積50万7000km2,ウラル山脈に源を発し,多くの支流をあつめ南西に流れてクイビシェフ貯水池(6450km2の人造湖)でボルガに合流する。カマ,ボトキン,ニジネカムスクなどの水力発電所があり,冬季の結氷期(12月~4月)をのぞき約1500kmが航行可能で,ペルミからアストラハン,ニジニ・ノブゴロド,モスクワへの定期航路があり,沿岸は風景の美しさで知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カマ川」の意味・わかりやすい解説

カマ川
かまがわ
Кама/Kama

ロシア連邦西部を流れ、ボルガ川の左岸に注ぐ大支流。上カマ丘陵の標高330メートルの沼沢地に発し、はじめ北流したのち、反転してウラル山脈西側の低地を南流し、サマラ貯水池でボルガ川に合流する。長さ1805キロメートル、流域面積50万7000平方キロメートル。ウラル山脈から多数の支流が注ぐため、春の洪水は4月末に始まり、2か月も続く。このためペルミにカマ貯水池、チャイコフスキーにボトキンスク、ニジニカマ貯水池を設けて洪水調節を行っている。11月中旬から4月下旬まで結氷するが、ボルガ河口から約1500キロメートル上流まで航行可能で、ペルミ―アストラハン間、ペルミ―モスクワ間に定期航路が通じている。また、流域は針葉樹林または混交林のタイガ(針葉樹林帯)で、石油、天然ガスを産出する。

[金窪敏知・小宮山武治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android