カラマーゾフの兄弟(読み)カラマーゾフノキョウダイ(英語表記)Brat'ya Karamazovy

デジタル大辞泉 「カラマーゾフの兄弟」の意味・読み・例文・類語

カラマーゾフのきょうだい〔‐のキヤウダイ〕【カラマーゾフの兄弟】

原題、〈ロシアBrat'ya Karamazovïドストエフスキー長編小説。1879~80年発表。カラマーゾフ家の父親殺し事件中心に、三人兄弟私生児をめぐって展開される葛藤かっとうを描き、宗教的思想を通して人間性追求したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「カラマーゾフの兄弟」の意味・読み・例文・類語

カラマーゾフのきょうだいカラマーゾフのキャウダイ【カラマーゾフの兄弟】

  1. ( 原題[ロシア語] Brat'ja Karamazovy ) 長編小説。ドストエフスキー作。一八八〇年完成。直情径行のドミートリ、無神論者イワン好人物のアリョーシャの三人兄弟が、老地主の父フョードル=カラマーゾフの殺された事件で示すそれぞれのあり方を通じ、神の存在人間性の本質を追求。

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改訂新版 世界大百科事典 「カラマーゾフの兄弟」の意味・わかりやすい解説

カラマーゾフの兄弟 (カラマーゾフのきょうだい)
Brat'ya Karamazovy

ドストエフスキーの最後の長編小説。1880年刊。地主フョードル・カラマーゾフには,ドミートリー,イワン,アレクセイ,スメルジャコフの4人の息子がいる。ドミートリーは美女グルーシェンカを父フョードルと争っている。イワンは父を深く嫌悪している。子でありながら下男としてしか認められていないスメルジャコフは,イワンの意識下の願望を実現すべく父を撲殺する。その下手人としてドミートリーが捕らえられる。事の真相を知ったイワンは発狂の兆しを見せ,スメルジャコフはイワンに失望して自殺する。このおぞましい家族の劇こそ,美しい理想を失った〈現代ロシア〉の実相であり,同時に,ロシアの新生を告げる陣痛でもある,と作者は考えていた。老修道僧ゾシマと三男アレクセイ,彼を慕う少年たちは,その新生ロシアを予告している。この小説は発表当時から大いに歓迎されたが,20世紀に入り西側世界でも驚嘆をもって迎えられ,ジッド,ツワイク,T.マン,カミュフォークナー等の作家に新たな思想小説の手本として,また現代文明への警告の書として深く広い感化を与えた。日本では大正初めから英訳邦訳によって読まれ,特に第2次大戦後は,イワンの語る〈大審問官〉が現代の政治的・精神的黙示と解釈されたりして,雄大深遠な思想小説として高く評価されている。
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百科事典マイペディア 「カラマーゾフの兄弟」の意味・わかりやすい解説

カラマーゾフの兄弟【カラマーゾフのきょうだい】

ドストエフスキーの最後の長編小説。《Brat'ya Karamazovy》。1879年―1880年作。地主カラマーゾフ家の父フョードルとその4人の息子ドミートリー,イワン,アレクセイ,スメルジャコフらを登場人物とし,父親殺しを主題に,父と子,兄と弟の愛欲の葛藤(かっとう)を描き,神と人間存在の問題を追究した思想小説。作中の劇詩《大審問官》は現代的な権力と自由の問題を先取りしている。20世紀に入って西欧でも驚愕をもって迎えられた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「カラマーゾフの兄弟」の解説

カラマーゾフの兄弟
カラマーゾフのきょうだい
Bratia Karamazovi

ロシアの作家ドストエフスキーの長編小説
1879〜80年刊。父の殺害をめぐり,善良な蕩児,冷血の知識人,愛の聖者,私生児の兄弟を中心に,人間と神の問題を追求している

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デジタル大辞泉プラス 「カラマーゾフの兄弟」の解説

カラマーゾフの兄弟

日本のテレビドラマ。放映はフジテレビ系列(2013年1月~3月)。原作:ドストエフスキー。出演:市原隼人、斎藤工、林遣都ほか。サスペンスドラマ。

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