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劇詩 げきしdramatic poetry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

劇詩
げきし
dramatic poetry

劇形式によるの一種。古代から近世まで戯曲は韻文で書かれるのが普通であり,劇詩は戯曲一般を意味していた。散文による近代劇の確立以後は,上演を意図しない詩人の作品に劇詩の名称が用いられる一方で,舞台を意識した作品は詩劇 poetic dramaの名で呼ぶようになった。ドライデンはイギリスで最も重要な『劇詩論』を書いたが,その新版に寄せた T.S.エリオットエッセーは『詩劇論』となっており,その違いは必ずしも明確ではない。

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大辞林 第三版の解説

げきし【劇詩】

戯曲の形をとって書かれた詩。抒情詩・叙事詩とともに詩の三大部門の一とされる。古代ギリシャ悲劇、シェークスピアの戯曲、日本の謡曲などの類。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

劇詩
げきし

dramatic poetryの訳語。詩の形式の一種で、直接上演を目的としなくても対話の劇形式で書かれた詩。詩劇の同義語として使われることもある。東西を問わず古来演劇は韻文劇であり、台詞(せりふ)は詩型をとっていた。近代に入ると写実的傾向が強まり、韻文劇の空疎さが指摘されて、散文劇が主流となってきたが、それでも19世紀のロマン派の詩人たちは韻文劇の伝統を捨てず、バイロンの『マンフレッド』(1817)、シェリーの『プロメテウス解縛(かいばく)』(1820)などの劇詩が書かれた。近代日本ではバイロンの影響の濃い北村透谷(とうこく)の『蓬莱曲(ほうらいきょく)』(1891)、島崎藤村の『悲曲琵琶(びわ)法師』(1893)などが劇詩とよばれる。[藤木宏幸]

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世界大百科事典内の劇詩の言及

【詩】より

… だが,それだからといって,韻文作品がすなわち詩であるということにはならない。韻文で書かれた伝承的英雄物語(叙事詩)や,韻文で書かれた運命劇(劇詩)は,かつてはそれぞれ詩の重要な一部門をなすと考えられていたが,今日ではむしろ,詩としてよりも物語として,演劇としての特性から評価される傾向にあり,詩はもっぱら抒情詩を中心として考えられるようになった。この傾向は,文芸思潮史の上では,西欧の18世紀後半から19世紀にかけてのロマン主義以降に顕著となったもので,時代的にははるかに遅れて発足した日本の新体詩においても,その最初期にこそ叙事詩や劇詩,さらには教訓詩などが試みられたものの,ロマン主義思潮の導入とともに同じ傾向を示すようになった。…

※「劇詩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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