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カラード Coloured

翻訳|Coloured

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カラード
Coloured

ヨーロッパ系白人(→コーカソイド)とアフリカ系黒人(→ニグロイド)あるいはアジア系との混血をさし,1950~91年南アフリカ共和国で公式に採用されていた呼称。主として 18~19世紀に上層社会に属する男性と下層社会に属する女性の間に生まれた人々を起源とする。20世紀初頭の南アフリカでは,法的に規定された語というより,白人と黒人の中間的な地位にある社会集団をさす語で,家族の来歴や文化的慣習,身体的特徴などに基づき,個人の任意な判断によって分類される場合が多かった。大半はアフリカーンス語と英語を話すキリスト教徒で,生活様式はヨーロッパ風であり,白人と交流していた。多くは西ケープ州ケープタウンやその周辺地区,および田園地帯に住んでいたが,ポートエリザベスをはじめとする東ケープ州北ケープ州に住む者もかなりいた。ケープタウンやポートエリザベスでは中産階級や労働者階級に属し,教師,事務員,小売店主,職人やその他の熟練労働者として働く一方,郊外に住む者の多くは白人が所有する農園で働いていた。ケープマレーと呼ばれる少数派のイスラム教徒は隔絶した社会を構成し,宗教的理由から結婚もその内部で行なわれた。第2次世界大戦までは肌の色の薄いカラードと白人の結婚もかなりあり,白人社会に吸収されていった者も多かった。しかし 1948年に厳格なアパルトヘイト法(→アパルトヘイト)が制定されると就職の機会は厳しく制限され,ケープ州では投票権が剥奪された。1985年までは他人種との結婚や性交渉も禁止された。1990年代にアパルトヘイトが廃止され,法律上の分類もなくなったことで,この名称および関連するすべての差別は撤廃された。

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デジタル大辞泉の解説

カラード(colored)

有色人種。特に黒人。
南アフリカ共和国で、オランダ移民とアフリカ人などとの混血の人々。

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百科事典マイペディアの解説

カラード

南アフリカ共和国における人種集団の一つ。17世紀中葉にケープに入植したオランダ系白人(ボーア人)と,先住民コイ人,サン人,東南アジアやマダガスカルなどから移入された奴隷との混血によって生まれた人々の子孫。
→関連項目アパルトヘイトケープ・タウン

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世界大百科事典 第2版の解説

カラード【Coloured】

南アフリカ共和国の住民を構成する人種の一つ。厳密に言えば人種ではないが,17世紀中葉にケープに入植したオランダ移民と先住民コイ族(ホッテントット)との,のちには東南アジアから移入された奴隷との混血によって生まれた人々の総称。ケープ州に多く住み,1994年の人口は約343万で全人口の8.5%を占める。ほとんどのカラードはキリスト教徒で,公用語である英語,アフリカーンス語を話し,職域では手工業などの熟練・半熟練労働者を占めている。

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大辞林 第三版の解説

カラード【colored】

有色人種。
南アフリカ共和国の住民のうち、アジア系移民、およびオランダ移民とアフリカ人との混血によって生まれた人々の総称。もともと現地に住んでいたアフリカ人は含めない。白人による人種差別を受けてきた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カラード
からーど
colored

一般には有色人種のことであるが、南アフリカ共和国では、同国を構成する四つの集団の一つである混血グループをさす。17世紀に同国のケープ地方に入植したオランダ人が、女性が少なかったため、先住民であるコイ人や、その後労働力として移入されたマレー系奴隷と混血してカラードが形成された。同国の全人口4283万5000中384万(8.5%)を占めている(1998推計)。オランダ系白人(ブーア人)が話すアフリカーンス語を話すものが多い。南アフリカ共和国内の白人以外の人種と同様に人種差別を受けていた。経済面では白人と黒人の中間にあって、おもに熟練・半熟練労働者層を形成している。1984年9月、それまでの白人単独支配体制から、白人、カラード、インド系の3集団で立法と行政を担う「三人種体制」に移行し、議員数85名のカラード議会が発足したが、94年アパルトヘイトの廃止に伴い、全人種平等の議会が発足した。[林 晃史]

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世界大百科事典内のカラードの言及

【南アフリカ】より

…【戸谷 洋】
【住民,社会】
 1992年の推計に基づくと,白人は512万で,全人口に占める割合は全体の13%にすぎない。非白人人口のなかでは,アジア人が100万(2.6%),カラード(混血)が335万(8.5%)を数えている。アフリカ人の人口は2988万で,全体の75.9%を占め,白人対黒人の比率は1対6近くになっている。…

※「カラード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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