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カルト カルト cult

翻訳|cult

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カルト
カルト
cult

祭儀,儀式,崇拝を意味することばが転じて,特定の人物・事物を熱狂的に崇拝,礼賛すること。または,そうした行動をとる集団や教団をさす。アメリカ合衆国では,1969年のチャールズマンソンとマンソン・ファミリーメンバーによる女優シャロンテートらの虐殺事件,1978年に起こったジム・ジョーンズの教団「人民寺院」の集団自殺事件など,カルトがからんだ陰惨な事件が相次いだ。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

カルト

過激な新興宗教団体。全米で2000以上あり、「救世主」を名乗る教祖を頂いた熱狂的信者の閉鎖的集団、という性格が強い。マインドコントロールによる信者獲得、教祖への絶対服従などで、様々な社会問題、家庭問題を引き起こす。米国でカルト問題が大きく浮上してくるのは、「ファミリー」と名乗るカルト集団による、1969年のいわゆるシャロン・テート事件あたりからで、78年には南米ガイアナの密林で「人民寺院」信者900人以上が集団自殺した人民寺院事件が起きた。80年代後半以降の、移民の増加、家族の崩壊、貧富差の拡大などによる社会構造の急激な変化は、疎外された者たちが互いを求め合い、カリスマ的指導者に絶対服従する傾向を助長したといえる。93年2月、デビッド・コレシュを指導者とし、狂信的な終末論で知られる新興宗教団体ブランチ・デビディアンは、テキサス州ウェイコ郊外で捜査当局と多数の死傷者を出す銃撃戦を演じて武装籠城(ろうじょう)。FBIによる強制排除に際し、72人が放火により集団自殺して、カルトの危険性を改めて印象付けた。97年3月には、ヘブンズ・ゲート(天国への門)と呼ばれるカルトが、カリフォルニア州サンディエゴで「すい星接近に合わせて」集団自殺し、死者39人を出した。70年代末から80年代にかけて、市民レベルでカルトを監視する動きも活発になり、カルト・アウェアネス・ネットワーク(CAN:Cult Awareness Network)、アメリカ家族協会(AFF:American Family Foundation)などの非営利組織(NPO)が生まれた。

(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)

カルト

カルトはラテン語で「崇拝」や「儀礼」を意味するcultusを語源とし、学術用語としては、カリスマ的指導者を中心とする小規模で熱狂的な信者の集まりを指す。しかしマスコミでは、時として犯罪行為を犯すような、反社会的な宗教集団を指す用語として使われ始めた。さらに、指導者に絶対服従させ、信者の自主性を著しく阻害し、犯罪行為を繰り返すような宗教集団のことを破壊的カルトと呼ぶようにもなった。一般に、カルトと呼ばれる集団が注目され始めたのは、1969年、米国でチャールズ・マンソンを中心とするマンソン・ファミリーという宗教集団が、女優シャロン・テートとその友人を惨殺した事件あたりからである。このような反社会的カルトに対する危機感から、米国では2つのタイプの運動が展開してきた。1つは、カルトからの脱会者やその家族・子供、カルトに入信した人の家族などからなる「反カルト運動」であり、もう1つは、信仰や神学の立場から、カルトに反対する「対抗カルト運動」である。いずれも米国の伝統的な信仰、家族、倫理を破壊するものとしてカルトをとらえている。対抗カルト運動の原型は、エホバの証人モルモン教などの新宗教に対する反対運動として、既に19世紀に始まっており、主に保守的なクリスチャンを中心メンバーとしている。反カルト運動の団体は、とりわけ70年代中頃から数多く現れ、諸団体が相互に連携するネットワークも形成されている。反カルト運動に共通する点は、カルトへの入信を洗脳やマインド・コントロールによるものと考えることであり、そのことからディプログラマー(deprogrammer)と呼ばれる、洗脳などを解除する専門家の役割が重要視されている。

(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

カルト(cult)

宗教的崇拝。転じて、ある集団が示す熱烈な支持。

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世界大百科事典 第2版の解説

カルト【cult】

なんらかの体系化された礼拝儀式,転じてある特定の人物や事物への礼賛,熱狂的な崇拝,さらにそういう熱狂者の集団,あるいは邪教的な宗教団体を意味する語。普遍的に見られる宗教現象だが,とくにアメリカ社会において顕著で,無視できない意味を有している。アメリカはキリスト教の聖地のようなイメージを国の内外に誇示してきたが,広大な空間にさまざまな種類の人間が住み,生活や社会に安定が乏しいため,多くの人が孤独と不安をかかえ,オーソドックスな信仰には必ずしも心を満たされないでいる。

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大辞林 第三版の解説

カルト【cult】

宗教的な儀式・祭儀、ないし崇拝。
転じて、ある特定の人物への狂信的な崇拝、さらにはそういう狂信者を産み出す反社会的な宗教集団をいう語。
趣味などで愛好者による熱狂的な支持をいう。 「 --ムービー」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カルト
かると
cult

過激で異端的な新興宗教集団をさす。英語圏では正統的キリスト教を「教会」church、その分派を「セクト」sectとよぶのに対し、異端的または異教的小集団を「カルト」とよぶ。ただしヨーロッパでは、カルトの同義語はセクトである。
 カルトに分類される宗教集団は、現代では世界中に多数存在し、アメリカでは2000以上ある。カルトが世界的に社会問題となっているのは、強制的な勧誘によって入信させたり、多額の寄付金を強要したりして人権を侵害し、さまざまな反社会的行動をする教団が少なくないからである。反社会的宗教集団としてのカルトには、いくつか共通の特徴がある。
 その特徴とは、第一に導師やグルとよばれたり、自ら救世主を名のるカリスマ的教祖をもつこと。第二にマインドコントロールといわれる心理操作のさまざまなテクニックを用いて入信させること。それは洗脳の一種で、信徒は自覚のないまま、主義、考え方、世界観を根本的に変えてしまう。第三に外部世界から隔離された場所で共同生活を営み、閉鎖的集団を形成し、そこからしばしば反社会的行動に走る。第四に神秘的、魔術的な儀礼を実践し、教義は異端的、シンクレティズム(宗教的折衷主義)的である。
 カルトが世の注目を浴びるようになったのは、1969年にアメリカでチャールズ・マンソン率いるファミリーと名のる小集団が女優のシャロン・テートを殺した「シャロン・テート事件」以来である。マンソンは自分をキリストに見立て、秘密の儀式を行っていた。その後、1978年に南アメリカのガイアナの密林で、信徒900人以上が集団自殺する「人民寺院事件」が、1993年にはアメリカで「ブランチ・デビディアン」というカルトの信徒が建物に立てこもり、FBIと銃撃戦を繰り広げ、70人が集団自殺を遂げる、といった事件が続発した。欧米では、一方で信教の自由を守りつつ、一部のカルトの反社会的行動にどう対処するかが、深刻な政治・社会問題となっている。
 日本でもカルト的宗教集団、疑似宗教集団が引き起こす事件が社会問題となるケースが増えている。1986年(昭和61)に「真理の友教会」の女性信徒7人が、教祖の死を追って集団自殺を遂げる事件が起きた。1995年(平成7)3月にはオウム真理教(2000年アレフ、2003年アーレフ、2008年Aleph(アレフ)に改称)の信徒が「地下鉄サリン事件」といわれる大量無差別殺人事件を起こし、社会に大きな衝撃を与えた。[久米 博]
『竹下節子著『カルトか宗教か』(文春新書) ▽別冊宝島編集部編・著『「カルト」の正体』(宝島社文庫) ▽金井新二著『現代宗教への問い――宗教からオウム真理教へ』(1997・教文館) ▽大塚賢司著『オウム真理教事件を哲学する――高校倫理教育の現場から』(1997・地歴社) ▽安藤清志・西田公昭著『現代のエスプリ 「マインド・コントロール」と心理学』(1988・至文堂)』

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世界大百科事典内のカルトの言及

【礼拝】より

…一般に,信仰対象や人格対象に対して信順・帰依・感謝の気持をあらわす行為。仏教では〈らいはい〉と読むことが多い。普通,低頭,合掌,拍手,祈り,読経(どきよう)などをともなう。公的な場において儀礼的,形式的に行われることもあれば(公的礼拝),単独に個人の信仰の深みから行われることもある(私的礼拝)。このように礼拝は,崇拝が純粋に宗教的であるのに対して,聖と俗の両面にかかわっているところに特徴がみられる。…

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