翻訳|cult
なんらかの体系化された礼拝儀式,転じてある特定の人物や事物への礼賛,熱狂的な崇拝,さらにそういう熱狂者の集団,あるいは邪教的な宗教団体を意味する語。普遍的に見られる宗教現象だが,とくにアメリカ社会において顕著で,無視できない意味を有している。アメリカはキリスト教の聖地のようなイメージを国の内外に誇示してきたが,広大な空間にさまざまな種類の人間が住み,生活や社会に安定が乏しいため,多くの人が孤独と不安をかかえ,オーソドックスな信仰には必ずしも心を満たされないでいる。しかも同時に,アメリカは文化的なフロンティアであるため,さまざまな理想を求める集団が活動する余地も大いにある。したがってこの国では,多様な宗教が布教されてきた。既成の秩序を奉じる人の目から見ると,その多くが,上記の最後の意味でのカルトということになる。見方によっては,ピルグリム・ファーザーズもモルモン教徒も,カルトの外観を呈した。ハーモニー・ソサエティやオナイダ・コミュニティは,小集団に終始し,さらにカルト的であった。しかしそのそれぞれが,アメリカ文化の推進力となってきている。最近カルトが問題にされるのは,チャールズ・マンソンCharles Mansonとその〈ファミリー〉による女優シャロン・テートSharon Tateらの虐殺(1969年8月9日)や,ジム・ジョーンズJim Jonesのひきいる〈人民寺院People's Temple〉の信者900余人の集団自殺(1978年11月18日)など,狂信的で陰惨な事件が続いたからである。アメリカには,いま大小あわせて約3000のカルトがあり,信者は300万にのぼると推定される。彼らの渇望するものを汲み上げ,その精神的エネルギーを堅実な方向に発展させることは,アメリカ文化全体のかかえる重要な課題であろう。
執筆者:亀井 俊介
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(岩井洋 関西国際大学教授 / 2007年)
(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…一般に,信仰対象や人格対象に対して信順・帰依・感謝の気持をあらわす行為。仏教では〈らいはい〉と読むことが多い。普通,低頭,合掌,拍手,祈り,読経(どきよう)などをともなう。公的な場において儀礼的,形式的に行われることもあれば(公的礼拝),単独に個人の信仰の深みから行われることもある(私的礼拝)。このように礼拝は,崇拝が純粋に宗教的であるのに対して,聖と俗の両面にかかわっているところに特徴がみられる。…
※「カルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
1936- 昭和後期-平成時代の女優,声優。昭和11年10月16日生まれ。昭和32年俳優座養成所をでて,テレビ界にはいる。NHKの「ブーフーウー」で声優としてみとめられ,54年テレビアニメ「ドラえもん...
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