ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マンソン」の意味・わかりやすい解説
マンソン
Manson， Sir Patrick
[没]1922.4.9. ロンドン
イギリスの医師，寄生虫学者。熱帯病学の父と呼ばれる。 1866年アバディーン大学を卒業。 66～89年台湾の高雄，中国のアモイ，ホンコンに滞在，ホンコンで医学校を創立。これが 1911年にホンコン大学となった。 1890年にイギリスに帰り，ロンドンで開業した。アモイで熱帯病の研究を始め，79年象皮病の病原体のバンクロフト糸状虫を患者の血液中に観察し，カがヒトにこの病気を伝播することを発見した。さらにマラリアの病原となる原虫も同様に，中間宿主のカによってヒトに伝播されるとの説を立て，R.ロスはこれに示唆を得て，97年マラリア原虫発育環を発見した。
マンソン
Monson， Sir William
[没]1643.2. サリー
イギリスの海軍軍人。 1585年海軍に入り，88年の無敵艦隊撃滅にも参加。 96年2代エセックス (伯)のカディス遠征で武功をあげ，ナイト爵に叙せられた。スペイン商船隊襲撃 (1602) ，アイルランド海賊討伐 (14) などの作戦を指揮したが，陰謀加担の疑いで，1615年解任。 35年復職したが，まもなく退役。退役後『海軍手引』 Naval Tractsを執筆。これは対スペイン戦争および当時の海上状態に関する貴重な記録文書とされる。
マンソン
Manson， Thomas Walter
[没]1958.5.1. ウェストモーランド，ミルソーブ
イギリスの新約聖書学者。オックスフォード大学 (1932～36) ，マンチェスター大学 (36) の新約聖書学教授。『イエスの教え』 The Teachings of Jesus (31) ，『イエスの言葉』 The Sayings of Jesus (49) など，福音書による研究が多い。
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