カルメット(読み)かるめっと(その他表記)Albert Léon Charles Calmette

デジタル大辞泉 「カルメット」の意味・読み・例文・類語

カルメット(Albert Léon Charles Calmette)

[1863~1933]フランスの細菌学者。C=ゲラン共同で牛型結核菌を培養してBCG創製し、結核予防に大きな貢献をした。

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精選版 日本国語大辞典 「カルメット」の意味・読み・例文・類語

カルメット

  1. ( Albert Calmette アルベール━ ) フランスの細菌学者。ゲランとの共同研究によって弱毒性ワクチンBCGを発見し、結核予防に大きな業績をあげた。(一八六三‐一九三三

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルメット」の意味・わかりやすい解説

カルメット
かるめっと
Albert Léon Charles Calmette
(1863―1933)

フランスの医学・細菌学者。パリ大学で医学を修めたのち、ケンブリッジ大学に留学した。7年間海軍軍医生活を送り、1891~1893年サイゴン(現、ホー・チ・ミン市)のパスツール研究所初代所長となる。1913~1933年パリのパスツール研究所所長代行を務めた。1906年、ウシから分離した結核菌をウシ胆汁グリセリン馬鈴薯(ばれいしょ)培地に継代培養し始め、ゲランCamille Guérin(1872―1961)の協力によって弱毒生ワクチンを創製した。これをBacille de Calmette Guérin(BCG)とよぶ。多くの動物実験によってBCGの安全性と免疫効果が証明され、人へのBCG接種報告は1925年に始まる。BCGは全世界で唯一の結核予防用ワクチンであり、おもに子供に対する接種が実施されている。なおBCGには、ハンセン病とある種の小児白血病に対して予防効果のあることが認められている。

藤野恒三郎

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百科事典マイペディア 「カルメット」の意味・わかりやすい解説

カルメット

フランスの医学者。パスツール研究所員。結核の伝搬経路やその撲滅策の究明に努力し,同僚のゲランとともにカルメット=ゲラン菌(BCG)を発見した。ほかアルコール発酵ヘビ毒血清療法の研究がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルメット」の意味・わかりやすい解説

カルメット
Calmette, Albert Léon Charles

[生]1863.7.12. ニース
[没]1933.10.29. パリ
フランスの細菌学者。パリで医学を修め,1891年にサイゴン (現ホーチミン) にパスツール研究所を設立。そこで蛇毒血清を開発した。帰国後,リールにパスツール研究所を創設,その所長となり (1896~1919) ,C.ゲランと共同で結核の予防ワクチン (BCG) を開発した (08) 。また,カルメット反応といわれる結核の診断検査を記載した。 BCGは世界中に使われて結核発生数は減り,人類の福祉に大きく貢献している。

カルメット
Calmette, Josephe

[生]1873. ペルピニャン
[没]1952. ツールーズ
フランスの歴史家。ツールーズ大学教授。中世史研究家として知られる。主著『封建世界』 Le Monde féodal。

カルメット
Calmette, Gaston

[生]1858. モンペリエ
[没]1914. パリ
フランスのジャーナリスト。『フィガロ』 Le Figaro紙の編集に携わった。

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