ガイガー(読み)がいがー(英語表記)Theodor Geiger

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガイガー(Theodor Geiger)
がいがー
Theodor Geiger
(1891―1952)

ドイツの社会学者。1918年ウュルツブルク大学で法学博士号取得。1928年にブラウンシュワイク工科大学の員外教授として社会学を担当したが、1933年ナチスに追われデンマークに亡命、さらにスウェーデンに逃れた。第二次世界大戦後ふたたびデンマークに戻ったが、以後ドイツには帰らず、オーフス大学教授としてとどまった。1952年6月客員教授としてカナダのトロント大学での講義終了後、帰途船上で死去。
 社会学の理論構成からすれば、形式社会学からは一定の距離を保ちつつ、「人間的結合およびこれから(あるいはこのものにおいて)生じた創造の研究」をもって社会学の課題とし、集団、人格的結合、群集および階層のごとき人間結合と実質的・形式的類型をその対象に設置した。集団の形式的類型にはテンニエスのゲマインシャフトとゲゼルシャフトを考えたが、あくまで集団形成の原理としてのみとらえ、方法論的には現象学的方法を採用しているのが特色である。亡命後の著作活動のなかでは、ワイマール民主主義の反省にたって『知識階級』(1944)を著したほか、在独中の『群集とその行動』(1926)によってル・ボンの『群集心理』(1895)を批判した成果を踏まえ、その延長線上で『るつぼの中の階級社会』(1951)を著すなど、学論以外にも貢献している。さらに論理実証主義的真理観に依拠して著した『イデオロギーと現実』(1953)のほか法社会学の研究など多方面にわたっている。[鈴木幸寿]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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