キサントフィル(英語表記)xanthophyll

翻訳|xanthophyll

世界大百科事典 第2版の解説

カロチノイドのうち水酸基,カルボニル基またはエポキシドなどの形で酸素を含むものを総称する。生物界に広く見いだされ,カロチン類の酸素化によって生成されると考えられる。ホオズキ,トウガラシの実の色,卵黄,魚卵,哺乳類の卵巣の黄体などの色はこの色素による。狭義にはルテインluteinで分子式はC40H56O2であり,水酸基をもつゼアキサンチンzeaxanthin,クリプトキサンチンcryptoxanthin,ケト基を有するロドキサンチンrhodoxanthinなどが知られている。

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大辞林 第三版の解説

カロテノイドのうち、水酸基の形で酸素を含む色素の総称。葉・花・卵黄など生物界に広く存在し、葉緑体中では光合成の補助色素となっている。カロテノイドアルコール。葉黄素。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カロチノイドの一種で、末端のイオノン(ヨノン)環にヒドロキシ基やエポキシド基の形で酸素を含む一群の色素の総称。生体内ではカロチン類の酸化によってつくられる。光合成の際に、補助色素として光のエネルギーの受け渡しをする。緑葉に含まれるキサントフィル類としてはルテインが代表的なものである。黄化して光合成能の低下した葉では酸化のすすんだキサントフィル類が多くなる。クリプトキサンチンやゼアキサンチンも花弁や果実などに広くみいだされる。果皮などにはケトン基をもつ赤色のキサントフィルも低含量ながら広く含まれている。ホオズキ果実のフィザリエンやヤマブキ花弁の黄色色素ヘレニエンは、それぞれゼアキサンチンおよびルテインの脂肪酸エステルである。[南川隆雄]
『吉田精一・南川隆雄著『高等植物の二次代謝』(1978・東京大学出版会) ▽石倉成行著『植物代謝生理学』(1987・森北出版)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (Xanthophyl(l)) カロチノイド類のうち、水酸基、カルボニル基、エーテル状酸素などを含む色素の総称。アルコールに可溶。動・植物体に広く分布し、植物では花、果実、種子などに色をつける因となる。狭義には最も普通にみられるルテインをさす。葉黄素。

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化学辞典 第2版の解説

】酸素原子を含むカロテノイドの総称.ヒドロキシ基,カルボニル基,カルボキシル基,エポキシ基などの官能基が普通にみられる.炭化水素カロテノイドに比べて極性溶媒に易溶,炭化水素系溶媒に難溶.ルテイン,ゼアキサンチンクリプトキサンチンアスタキサンチンなどがもっともありふれたものである.【】緑葉のカロテノイド,ルテインの別名.

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世界大百科事典内のキサントフィルの言及

【カロチノイド】より

…この名はこの色素群の代表であるカロチンに基づいてツウェットM.S.Tswettにより命名された。彼はこれらの色素の中で炭化水素溶媒に可溶のものをカロチン,炭化水素溶媒にとけにくく,メタノールにとけやすいものをキサントフィルとした。そして両者を総称してカロチノイドと呼んだ。…

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