アスタキサンチン

デジタル大辞泉 「アスタキサンチン」の意味・読み・例文・類語

アスタキサンチン(astaxanthin)

カロテノイド一種甲殻類の殻やサケの肉などに含まれる赤色色素抗酸化作用による生理機能があるとされる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「アスタキサンチン」の解説

アスタキサンチン
アスタキサンチン
astaxanthin

3,3′-dihydroxy-β,β-carotene-4,4′-dione.C40H52O4(596.82).カロテノイドに属する重要な色素の一つ.植物ではフクジュ草属Adonis annuaなどの花弁分布する.動物における分布はきわめて広く,カニエビなどの甲殻類にもっとも普通であるが,きょく皮動物,軟体動物,腔腸動物などの無脊椎動物や魚類にも見いだされる.遊離の状態あるいは脂肪酸エステルとして存在するほか,タンパク質と結合して色素タンパク質として存在することも多い.これらの色素タンパク質はかなり不安定で,単なる加熱や有機溶媒の作用により容易に分解して,赤色のアスタキサンチンを与える.加熱によって,エビ,カニなどの殻が赤くなるのはこのためである.遊離のアスタキサンチンあるいは色素タンパク質を含む試料アセトンで抽出し,メタノール石油エーテルで処理して単離する.紫色の板状結晶.融点216 ℃(ピリジンから再結晶).λmax 513,493,476 nm(ピリジン).クロロホルム,ピリジンに可溶,石油エーテル,メタノールに難溶.アルカリ性で酸素によってすみやかに酸化されてアスタセン(β,β-カロテン-3,3′,4,4′-テトロン.C40H48O4.紫色の板状結晶.融点240~243 ℃(封管中).λmax 500 nm(ピリジン))にかわる.それゆえ,アスタキサンチンを含む試料からアルカリによるけん化を含む操作で色素を抽出すると,アスタキサンチンは得られず,もっぱらアスタセンが単離される.[CAS 472-61-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「アスタキサンチン」の解説

アスタキサンチン【astaxanthine】

カロテノイドの一種。さけ、イクラ、えび、かになどの魚介類に豊富に含まれる赤色色素。強力な抗酸化作用をもち、活性酸素抑制して悪玉コレステロールが血管に付着するのを抑制・除去する役割をもつほか、眼精疲労予防、免疫力強化、美肌効果、筋肉疲労軽減作用、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞などの生活習慣病予防・改善などの特徴をもつ。◇カロテノイドの中でも非常に強い抗酸化力をもち、ビタミンEの約550~1000倍にも相当する物質であることから、「自然界で最強の抗酸化物質」とも呼ばれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

栄養・生化学辞典 「アスタキサンチン」の解説

アスタキサンチン

 C40H52O4 (mw596.85).

 カニ,エビなどの甲殻類に含まれるカロテノイドの一種.酸化されると赤色のアスタシンになる.遊離型やエステル型で天然に存在し,色素の形でも存在する.植物にも含まれる.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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