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クェーカー(読み)くぇーかー(英語表記)Quakers

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クェーカー
くぇーかー
Quakers

プロテスタントの一派。別名フレンド派。一般に日本では「キリスト友会」とよばれる。17世紀のイギリスの急進的ピューリタンの神秘主義に端を発する。信者たちが、自己の信仰を肉体の震動によって表現したため、この名がある。創始者ジョージ・フォックスは、既成の宗教に満足できず、さまよい、ついに1647年神の声を聞く。以後、布教活動に専念。おもにバプティストや独立派から信者を獲得した。彼は、魂の新しい時代について説教し、人々に「内なる光」に基づく宗教生活を勧めた。同派は、聖霊に関する教義に注目し、神と人間の魂との密接な関係によってもたらされる回心を、なによりも重視する。以前より、この教義を主張する者は、聖霊主義者として異端のレッテルを貼(は)られた。マサチューセッツのアン・ハッチンソンの場合は、その一例である。静かに聖霊を待つ彼らにとって、聖書は、聖霊ほど重要性をもたず、同様に、秘蹟(ひせき)も捨て去るべきものであった。
 クェーカーの教義は危険思想とみなされ、彼らは長い迫害の歴史をたどった。国家転覆、不敬、税金滞納、徴兵拒否など、彼らの行動は反社会的であるとして、罰金、入牢(にゅうろう)、外国追放を科せられた。アメリカでも迫害されたが、しだいにロード・アイランド、ペンシルベニアが彼らの避難地となる。クェーカーは、社会改革のための原動力となり、奴隷制反対運動などに影響を与えた。わが国には1885年(明治18)初めて伝えられた。[野村文子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例