クラウドソーシング(読み)くらうどそーしんぐ(その他表記)crowd sourcing

デジタル大辞泉 「クラウドソーシング」の意味・読み・例文・類語

クラウドソーシング(crowdsourcing)

《crowd(大衆)とアウトソーシングからの造語インターネット上で不特定多数人材に対して業務内容と報酬を提示し、仕事を発注する手法。社外から効率よく人材を募ることができるほかコンペ形式で発注先を決めることも可能。通常、発注者と受注者はネット上の専用サービスによって仲介される。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「クラウドソーシング」の解説

クラウドソーシング(CS)

インターネット上で不特定多数の人に募集をかけ、仕事をマッチングする仕組み。crowd(群衆)とsourcing(業務委託)の造語。仕事の発注・受注、連絡などを基本的にネットで行う。ウェブサイト制作やデザイン、記事執筆が多い。受注者は営業の手間が省け、都合の良い時間に作業できる。発注者は通常より安く、繁忙期など必要な時だけ業務委託できる。駆け出しのクリエーターが実績を積んだり、退職したシニア層が経験を生かしたりする場でもある。CSサイトは手数料で運営されている。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラウドソーシング」の意味・わかりやすい解説

クラウドソーシング
くらうどそーしんぐ
crowd sourcing

不特定多数の人にインターネット経由で業務を委託すること。クラウド(crowd、群衆)とソーシング(sourcing、委託)をあわせた造語で、クラウドワーク、オンライン・フリーランシングともよばれる。業務を小分けして世界中の専門家や主婦、学生などのフリーランスに発注する仕組みである。委託業務はソフトウェア開発、ウェブ制作、動画作成、データ入力などのIT関連から、翻訳、執筆、デザイン、イラスト、法務財務、コールセンター業務、飲食宅配まで広範である。報酬額に応じて5~20%を専門仲介業者がシステム利用料の名目で徴収する。クラウドソーシングは、業務を外部発注することで人材や設備などのコストを削減でき、経営資源を主力業務に集中できる利点がある。委託者(企業)と受託者(働き手)をサイトでマッチングし、発注、働き手の募集・選定納入、報酬決済までをネット上で済ますので、企業は世界中の安価な労働力を活用できる。働き手にとっても在宅で仕事をできる利点がある。アメリカで2000年代初頭に始まり、世界に広がった。日本でもクラウドソーシングの仲介業者が30社以上生まれ、2014年(平成26)には業界団体クラウドソーシング協会(東京都渋谷区)が発足した。厚生労働省の推計では国内で約170万人が従事しており、このうち本業は約130万人、副業が約40万人いる。

 クラウドソーシングは不特定多数に発注するので、仕事がずさんとなる問題もあり、2016年にはネット関連企業のディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する医療情報サイトで法令違反の不正確な記述が発覚し、サイト閉鎖に追い込まれたトラブルも生じている。またクラウドソーシングで働く人々は、現行の労働法制では事業主として扱われ、労働法制の保護対象外である。クラウドソーシングの働き手を契約、時間、対価など労働法制面でいかに保護するかも課題である。クラウドソーシングはアウトソーシングの一種であると同時にシェアリング・エコノミーの一つの形態とみることもできる。なおクラウドコンピューティングのクラウド(cloud、雲)とは意味が異なる。

[矢野 武 2019年10月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵mini 「クラウドソーシング」の解説

クラウドソーシング

不特定多数の人々に業務委託する雇用形態のこと。画像チェックやアイデア発案、ロゴ作製、音楽制作、サイトへのレビュー投稿など多様な場面で活用されている。報酬は、無料(ボランティア)から、時給制、固定給制など多伎にわたる。専門業者に委託するアウトソーシングと違い、雇用側にとって、必ずしも雇用関係を必要としない、低リスクでよりよい品質のものが出来上がる可能性がある、などのメリットがある。インターネットの普及に伴い拡大し、日本ではランサーズ株式会社(2008年創業)、株式会社クラウドワークス(2011年創業)ほか、Craudia、クラウドワークス、CROWDなど次々とサービスが開始されている。

(2013-6-21)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

人事労務用語辞典 「クラウドソーシング」の解説

クラウドソーシング

クラウドソーシングとは、不特定の人や群衆を意味する「crowd(クラウド)」と、業務委託を示す「sourcing(ソーシング)」を組み合わせた造語です。

企業が自社の業務を不特定多数の人に業務委託する業務形態を指しますが、インターネットを活用している点に特徴があります。クラウドソーシングの一般的なモデルは、発注者がインターネットを介してアウトソーシングしたい業務への応募者を募り、業務者を選定・依頼するというものです。必要なときに必要な人材やスキルを気軽に調達することが可能なため、クラウドソーシングを活用する企業が増えています。

出典 『日本の人事部』人事労務用語辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android