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クリッツィング Klitzing, Klaus von

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クリッツィング
Klitzing, Klaus von

[生]1943.6.28. ポーランド,シュローダ
ドイツの物理学者。ドイツ占領下のポーランドで生れ,第2次世界大戦後西ドイツに移り,1969年ブラウンシュワイク工科大学を卒業。 72年ウュルツブルク大学で博士号を取得。 80年ミュンヘン工科大学教授,85年シュツットガルトのマックス・プランク固体物理学研究所教授に就任。ホール効果に関する研究を続け,磁場が非常に強く温度が非常に低い条件下で半導体に電流を流した場合のホール抵抗は不連続な値を示しながら階段状に変化し,その階段1段分に相当する量は微細構造定数に直接関係づけられることを発見した。これは半導体や固体の物性に関する研究を進展させ,高精度での微細構造定数の決定および電気抵抗の測定標準の確立に大きく寄与した。この量子ホール効果の発見により 85年ノーベル物理学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クリッツィング
くりっつぃんぐ
Klaus von Klitzing
(1943― )

ドイツの物理学者。ポーランドのポズナニ近郊のシュローダ(当時はドイツ領)に生まれる。ブラウンシュワイク工科大学で物理学を学び、1969年卒業した。ウュルツブルク大学で1972年に博士号を取得したのち、オックスフォード大学に留学、1979年にフランスのグルノーブルにある高磁場研究所の研究員となった。1980年から1984年までミュンヘン工科大学教授を務め、1985年にシュトゥットガルトにあるマックス・プランク固体物理学研究所部長となった。
 1879年にホールによって発見された、板状の導体に現れる電流磁気効果の一種であるホール効果について詳しく研究した。特殊な半導体の薄膜を用いて、電子のふるまいを二次元面に拘束してホール効果を厳密に測定できるようにした。その結果、ホール電圧が連続的に変化せずに、とびとびの値をとる量子効果を示すことを発見した。これが量子ホール効果で、この現象を利用することにより、物理定数や電気抵抗が正確に測定できるようになった。この発見により1985年のノーベル物理学賞を受賞した。[編集部]
『Y・イムリー著、樺沢宇紀訳『メソスコピック物理入門』(2000・吉岡書店) ▽A・シック著、岩渕修一訳『量子井戸――2次元電子系の物理とエレクトロニクス』(2002・吉岡書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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