日本大百科全書(ニッポニカ)の解説
クーリエ(Paul-Louis Courier)
くーりえ
Paul-Louis Courier
(1772―1825)
フランスの作家。裕福な地主の家に生まれ、軍人となるが性にあわず退役。古代ギリシア語に堪能(たんのう)で、『ダフニスとクロエ』の翻訳を契機に文筆業に入る。束縛を嫌い、論争的で嫉妬(しっと)深い性格のため敵が多く、いくつもの訴訟にかかわるうちに、風刺的小文(パンフレ)作家としてのクーリエが生まれる。豊かな古典の教養と端正な文体を特徴とする。性格的欠陥から召使いに恨まれ、銃で撃たれて死んだ。
[及川 茂]